3月初めの今週は、月と惑星や星座のランデブーが楽しめる。西の夕空で最後の輝きを放つ金星を堪能し、明るさを増していく月の眺めを満喫しよう。金星は太陽に近づきつつあるため、まもなく見えなくなってしまう。明るい「宵の明星」を観察する最後のチャンスをお見逃しなく。2025年3月第1週の星空についてまとめた。
3月5日(水):すばる食

月齢5.5の上弦前の月が、おうし座のプレアデス星団(すばる)の手前を通過する「すばる食(プレアデス星団食)」が起こる。22時ごろから24時(6日0時)ごろにかけて、すばるの星たちが次々と月に隠されていく様子は見ものだ。双眼鏡で覗けば、散開星団であるプレアデス星団を構成する星々のうち100個余りのきらめきを観察できる。
3月6日(木):月と木星が並ぶ
上弦目前の月は明るく、暗い星座は見つけにくいが、木星は月明かりのそばでも力強く輝いている。そこから左へ目を動かして南の方角を見れば、火星がすぐに見つかるはずだ。

3月7日(金):「最北」の上弦の月
火星と木星に挟まれた今宵の上弦の月は、天の赤道から今年最も北寄りに位置している。近くにはふたご座のポルックスとカストルも見える。
3月8日(土):水星が東方最大離角、月と火星が並ぶ

水星の見かけの位置が太陽から最も東側に離れて、東方最大離角となる。日の入り直後の西の低空で、高度が最も高くなった水星がマイナス0.3等の光を放つ。明るい「宵の明星」の金星を目印に、やや左下を探そう。
南東の空では、上弦を過ぎたばかりの月がふたご座に位置する赤い火星と接近する。
今週の星座:カシオペヤ座
アルファベットの「W」または「M」の字形をした星の並びが象徴的な、夜空で最も見つけやすい星座のひとつだ。北の空で、北極星を挟んで北斗七星の反対側にある。
