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宇宙

2025.03.02 17:00

「ブラッドムーンと日食の朝日」を拝もう オーロラにも期待したい3月の夜空

英国南部で2024年10月11日に観測された低緯度オーロラ(Shutterstock.com)

英国南部で2024年10月11日に観測された低緯度オーロラ(Shutterstock.com)

今月は、月を眺めるのが好きな人と日食ファンにとってお待ちかねの天体ショーが立て続けにある。北米では2022年以来となる皆既月食(日本では部分月食)が観測でき、続いて印象的な「日食の朝日」が昇る。月と惑星たちは魅惑的な共演を披露し、低緯度オーロラも見られるかもしれない。2025年3月の空は、昼も夜も目が離せない。

夜空が星の観察に最適の条件となるのは、3月22日~月末だ。下弦の月が29日の新月に向かって欠けていき、月明かりに邪魔されない暗い夜が戻ってくる。今月の天体観測に必要な情報をまとめた。

1. 三日月と宵の明星が並ぶ

中国・新疆ウイグル自治区で2023年2月22日に撮影された金星と三日月(VCG/VCG via Getty Images)
中国・新疆ウイグル自治区で2023年2月22日に撮影された金星と三日月(VCG/VCG via Getty Images)

日時:3月2日(日)の日没直後
方角:西の空

夕日が沈んだ後の薄暮の西の空で、マイナス4.8等で輝く金星の隣に、繊細な三日月が光る。月齢は2.1で、金星の明るさと比べて少し見つけにくいかもしれない。低空を探そう。

2. オーロラ

ウクライナ首都キーウで2024年10月11日に撮影されたオーロラ(Sergey Kamshylin / Shutterstock.com)
ウクライナ首都キーウで2024年10月11日に撮影された低緯度オーロラ(Sergey Kamshylin / Shutterstock.com)

日時:2025年3月20日(木)から数週間後の日没後
方角:北の夜空

2025年3月は、オーロラを観測するのにうってつけの条件が整う。太陽活動が約11年の周期で最も活発な「極大期」のピークにあたるうえ、3月20日の「春分の日」に地球の地軸が太陽風に対して垂直になり、オーロラが活性化する可能性があるからだ。北極圏はもちろん、北寄りの地域ほどチャンスは広がる。

3. 大きな月と明るい火星

仏セーヌエマルヌ県で2021年3月19日に撮影された月と火星(Christophe Lehenaff/Getty Images)
仏セーヌエマルヌ県で2021年3月19日に撮影された月と火星(Christophe Lehenaff/Getty Images)

日時:2025年3月8日(土)~9日(日)の夕方~深夜
方角:南の夜空

夕方に南東の方角を見ると、ふたご座に位置する火星の近くに、少しふっくらした上弦の月が見える。火星は赤みがかった色で輝いていて、望遠鏡や双眼鏡がなくても簡単に見つけられるはずだ。9日には月と火星が並ぶ。目を引く光景となるだろう。

4. 「ブラッドムーン」の皆既月食

スーパーブラッドムーンの皆既月食(Shutterstock.com)
スーパーブラッドムーンの皆既月食(Shutterstock.com)

日時: 3月14日(金)

今月の天体観測のハイライトはまちがいなく、「ブラッドムーン(血色の月)」の異名で知られる皆既月食だろう。北米と南米で13日から14日にかけて観測できる。

北米では東部標準時13日午後10時57分(協定世界時14日午前3時57分)ごろから満月が欠け始め、同14日午前2時26分(同7時26分)ごろ、月が地球の影に完全に入る「皆既食」となる。そして65分間にわたり、月はオレンジがかった赤色の不気味な色合いを帯びる。これは地球の空気が太陽光を屈折させるためだ。

日本では、一部地域で14日に欠けた状態の月が昇ってくる「月出帯食(げつしゅつたいしょく)」が見られる。

5. 部分日食の朝日

米メリーランド州で撮影された部分日食(Shutterstock.com)
米メリーランド州で撮影された部分日食(Shutterstock.com)

日時:2025年3月29日(土)

米北東部、カナダ東部、欧州の一部で部分日食が観測できる。米東海岸沿いでは、日の出前に日食が始まり、三日月状に欠けた朝日が昇る「日出帯食(にちしゅつたいしょく)」が見られる。残念ながら、日本からは見えない。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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