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経済・社会

2025.02.26 08:15

インパクト・エコノミー、時代の転換点に「入口」をつくるために

2025年3月1・2日、インパクトをテーマにした業界最大級のスタートアップ・カンファレンス「IMPACT SHIFT 2025」が開催される。『Forbes JAPAN』25年3月号の特集でも取り上げた「インパクト」がテーマで、業界をリードする約200人のゲスト、約1500人の参加者が集う。同特集の「インパクト・エコノミーの未来を創る100人」にも選ばれた一般社団法人IMPACT SHIFT代表理事/UNERI代表取締役である河合将樹と、同理事/Ridiloverの菅家周平、同理事/STYZの木暮里咲の3人に「インパクトの今とこれから」について話を聞いた。
(「Forbes JAPAN」は同カンファレンスのメディアパートナーである)


河合:「IMPACT SHIFT」は「インパクトの世界に、入口をつくる」をコンセプトにしたカンファレンスだ。2024年から始めた背景にある仮説は「業界拡大の元年において、万人に開かれた入口機能があった世界は?」であった。インパクト投資やインパクトスタートアップ、ゼブラ企業、B Corpをはじめとした、広義のインパクトに関する複数の政策が動き始め「民主化の年」になると予測したからだ。そのような中、「入口」となる場をつくることで健全に関係人口の絶対数が増えるのではないか、というものだ。

インパクト投資という概念が日本に導入されてから約10年、先達の皆様が力強く開拓してきた土壌の上に、対話と実践の萌芽を生みたいという思いがあった。経済産業省からは「J-Startup Impact」、中小企業庁はローカルゼブラ企業の実証実験、金融庁がインパクト・コンソーシアムの発足と、この数年でブームからスタンダードになりつつある。今を「時代の転換期」と捉えるからこそ、公益性の高い集団が、民間起点のボトムアップで「インパクトの世界の入口」をつくる必要性が求められているのではないか、という思いがあった。

特徴は、入口に特化していることに加え、セクター横断型(スタートアップ、VC、NPO、自治体、大企業)であること、そして参加者層の中心が20代〜30代であることだ。運営メンバーも20代が多く、私たちが学園祭のような雰囲気と表現している理由でもある。24年のカンファレンスでは650人が参加した。今年は約1500人の参加を見込んでいる。

今、公的年金を運用する世界最大の機関投資家「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」が年金積立金をインパクト投資にも充てられるという方針を表明するなど、複数の官公庁で「インパクト」に言及することも増えている。これは、国際比較しても珍しい状況だ。一方で、公共セクターのスピード感に民間セクターが追いついていないとも言える。だからこそ、「関心層が実践層に移行したくなる場」が重要になるのではないか。

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