宇宙

2025.02.25 18:00

細い三日月と宵の明星の共演を楽しみ、オーロラが見れるかもしれない今週の夜空

Richard Packwood/Getty Images

Richard Packwood/Getty Images

夕暮れ時の空にきらめく宵の明星と三日月が共演し、その月を「地球照」が丸く縁取る今週の夜空は、月明かりがほとんどないためオーロラを見るチャンスも広がる。2月を締めくくる1週間の星空と天文に関する情報をまとめた。

2月28日(金):新月

月の位相は日本時間28日午前9時45分に「朔」を迎える。新月の夜は、天文ファンにとっては1カ月のうちで最大の観測チャンスだ。月が地球と太陽のほぼ中間に位置し、月光が視界を邪魔しないため、星空を観察するのにうってつけなのだ。新月前後の1週間ほどは、ほぼ完ぺきに近い夜空が楽しめる。まもなく拝める細い月と金星のすばらしい共演に備えておこう。

3月1日(土):極細の「二日月」

日が沈んだ直後に西の低空を見てみよう。見つけるのはなかなか難しいかもしれないが、糸のように細い月齢1.1の月がそこにある。双眼鏡を用意して、金星から地平線へと下がったところ、水星のすぐ上を探してみてほしい。日が暮れた後すぐに地平線の下に沈んでしまうので、素早く、かつ忍耐強く探すのがコツだ。

3月2日(日):地球照を伴った三日月と、宵の明星が並ぶ

2025年3月2日(東京:18時20分ごろ)の西の空の見え方(Stellarium)

2025年3月2日(東京:18時20分ごろ)の西の空の見え方(Stellarium)

月齢2.1のほっそりとした三日月は、前夜よりもはっきりと日没後の西の空に姿を現す。影の部分が地球上の海や氷冠に反射した太陽光に照らされて、ほのかに光って見える「地球照」を伴っているはずだ。明るく輝くマイナス4.8等の金星が、すぐ隣に並んで見える。

今週の天体ショー:オーロラ

夜の早いうちに月が沈むため、北寄りの地域では特に、オーロラの出現を目撃できるかもしれない。太陽活動は2025年が「極大期」のピークにあたる。昨年のように大規模な磁気嵐が発生するとの予報があれば、それがオーロラ発生の予兆となる。

下弦の月を過ぎて以降の10日間は夜空が暗く、都市部の光害を避ければ、幻想的なオーロラを見られるチャンスはある。都市部を脱出できない場合は、視界に明るい光がない場所を探そう。

イタリア北部ベネト州チマグラッパで2024年10月10日に観測された低緯度オーロラ(Eigenvalue_multimedia / Shutterstock.com)

イタリア北部ベネト州チマグラッパで2024年10月10日に観測された低緯度オーロラ(Eigenvalue_multimedia / Shutterstock.com)

オーロラ(Aurora Borealis)という名称は、ガリレオ・ガリレイが1616年に名づけたといわれている。ラテン語で「北の夜明け」を意味する。ガリレオが暮らしていたイタリアでは、オーロラは必ずといっていいほど北の空に垣間見える現象であったため、夜明けと見紛う光だったのだろう。北極圏では古くから「Northern Lights(北の光、北極光)」と呼ばれる。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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