吐く息は白くなり、道路は凍結し、太陽は冬空でぼんやりと、弱々しく光っているように見える。生命を与える星がもたらすものは最小限にとどまり、空に昇っても低い位置から運転手の目をくらませているだけだ。世界は霜と雪に覆われている。
地軸の傾き
地球が現在、太陽により接近しているなら、誰もが高温多湿の天候を満喫しているわけではないのはなぜだろうか。その答えは、太陽から地球までの距離ではなく、地球の自転軸の傾きにある。1月に北半球は太陽から離れる方向に傾いているため、気温が低下し、昼が短くなる。一方、オーストラリア・シドニーのビーチや、アルゼンチン・ブエノスアイレスの通りは、暑い夏の日差しを浴びている。南半球は、太陽に近づく向きに傾いているため、長い昼と強烈な夏の暑さを享受しているのだ。

近日点とは
1月4日に地球が到達した近日点は、太陽から約1億4700万kmの距離にある。天文単位(地球太陽間の平均距離、1AU=約1億5000万km)にすると、0.98333AUとなる。これは、楕円軌道上で地球が太陽から最も遠くなる遠日点(aphelion)よりも500万kmほど太陽に近い。地球は太陽から約1億5200万キロメートル離れた遠日点を2025年7月3日に通過する。近日点と遠日点に毎年到達するのは、地球だけではない。すべての惑星は、楕円軌道を描いて太陽を公転している。これは、17世紀ドイツの数学者ヨハネス・ケプラーが発見した惑星の運動に関する法則の第一法則だ。
地球の楕円軌道
地球が楕円軌道を描くことで、太陽エネルギーにわずかな変化が生じ、近日点では遠日点に比べて地球に達する太陽光が約7%増加する。では、地球は7月よりも1月の方が気温が高いだろうか。筋は通っているが、正しくはない。太陽から地球までの距離におけるこの変動は、南半球の地形によって相殺されるからだ。北半球が7月に受ける太陽からのエネルギーよりも1月に受ける方が大きいにもかかわらず、南半球はほとんどが海だ。陸塊がはるかに少ないことで、近日点の影響が打ち消される。太陽極大期の影響は?
太陽極大期には、11年周期の太陽活動が最も活発になり、太陽から発せられる光やエネルギー、太陽放射の量が増加する。太陽活動は現在、過去23年間で最大のピークを迎えており、オーロラの出現が活発化している。米海洋大気局(NOAA)によると、人工衛星から測定される、太陽光から地球が受けるエネルギー総量「太陽総放射量(TSI)」は、太陽極大期に0.1%増加する。だが、増加量が非常に小さいため、地球の気候に重大な影響が及ぶことはない。
(forbes.com 原文)