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宇宙

2025.02.21 10:30

2032年12月に地球に衝突?小惑星「2024 YR4」の被害想定と核爆弾で軌道変更できない理由

Shutterstock.com

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直径約40~90mの小惑星「2024 YR4」が、2032年12月22日に地球に衝突する可能性が取りざたされている。米航空宇宙局(NASA)の地球近傍天体研究センター(CNEOS)は今月18日、衝突の確率を3.1%に引き上げたが、その後一晩で収集されたデータに基づき、翌19日には1.5%に引き下げた。

もしも実際に衝突が起こった場合、どのような被害がもたらされうるのか。そして、核爆弾を使って小惑星の軌道をそらすという手が使えそうにないのはどうしてかを解説しよう。

衝突の威力は広島型原爆の500倍

地球近傍小惑星「2024 YR4」は現在、地球に向かう進路をとっている。直撃コースなら、秒速17km(時速6万km)の猛スピードで衝突することになりそうだという。米誌WIRED(ワイアード)によると、地球大気圏内で空中爆発する可能性が高いが、その衝撃力はTNT火薬換算で8メガトンに相当し、広島に投下された原子爆弾の500倍もの威力になると推定されている。

国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)によれば、「2024 YR4」が地球のどこかに衝突するおそれがあるのは2032年12月22日。落下地点となりうる帯状の「リスク回廊」は、太平洋東部から南米北部、大西洋、アフリカ、アラビア海、南アジアにまでまたがるとされる。

小惑星「2024 YR4」が2032年12月22日に衝突するおそれがある「リスク回廊」を示した地図(Daniel Bamberger (Renerpho), CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)小惑星「2024 YR4」が2032年12月22日に衝突するおそれがある「リスク回廊」を示した地図(Daniel Bamberger (Renerpho), CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

IAWNが2025年1月29日に「2024 YR4」の衝突リスクに関する警告を発して以来、50カ所を超える観測所で計350回におよぶ観測が行われてきた。今を逃すと、地球上からこの小惑星を観測できる機会は、次に「2024 YR4」が地球に接近する2028年後半まで待たなければならない。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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