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海外

2025.02.14 14:00

「契約書チェック」に特化した生成AIの米新興、Ivoが24億円調達

Shutterstock.com

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人工知能(AI)は、契約書のレビューや交渉といった企業内弁護士の業務を変革しようとしている。米国を拠点とするリーガルテックのスタートアップ、Ivo(アイボ)は2月5日、シリーズAラウンドで1600万ドル(約24億円)を調達したと発表した。同社は、手作業で行われていたこれらの作業を過去のものにしたいと考えている。

「我々は、社内の法務チームが契約書をより迅速かつ容易に修正したり交渉できるよう支援している。最近まで、AIではこれらのタスクをうまく処理できなかったが、生成AIの進化がそれを可能にした」と、アイボの共同創業者でCEOのチョン・ミンギュは話す。

社内の法務チームが他社から契約書の草案を受け取ると、アイボのAIがスキャンし、標準的な条項から逸脱していたり、許容範囲を超えるリスクを特定して修正案を作成する。その内容を人間の弁護士がレビューすることで、交渉プロセスを迅速化することができる。

法律サービスに携わってきたチョンは、世界中の企業に所属する法務チームにとって最大のボトルネックのひとつを解決できると考えている。「私が企業内弁護士だった頃、契約書のレビューは最も煩雑で時間のかかる作業のひとつだった。我々が開発したテクノロジーは、他社よりも高精度な修正が可能だ」と彼は言う。

他のリーガルテック企業もこの領域をターゲットにしており、IcertisやIroncladなどの企業がアイボと似たツールを提供している。チョンは、生成AIの高度な技術を活用し、単なる自動化を超えたサービスを提供していることがアイボの強みだと主張する。彼によると、優秀な企業内弁護士は契約書のレビューとドラフティングのコツを熟知しており、交渉の足かせとなる不必要な変更を加えることなく、自社にとって最大の利益を反映させることを目指しているという。

競争の激しいリーガルテック業界において、チョンのセールストークは顧客獲得に役立っているようだ。アイボは、2023年4月に商用サービスを開始して以来、デザインソフト大手のCanva(キャンバ)やイベント開催支援のEventbrite(イベントブライト)を含む150社以上を顧客企業としている。

こうした顧客の多くは、契約書レビューにテクノロジーを導入したことで良い結果が得られていると報告している。質問サイトQuora(クオーラ)で法務オペレーションを担当するアドリー・クリスチャンセンによると、同社では法務チームが特定の種類の契約書をレビューする時間を大幅に短縮できたという。

海外市場にも進出へ

現状でアイボの顧客の大半は米国企業だが、チョンは成長を加速させるために海外市場への進出を目指しており、新製品の開発も検討しているという。アイボの累計調達額は、今回のラウンドで2200万ドル(約33億9500万円)を超えた。

「アイボは、弁護士や法務チームの契約書レビューを変革している。弁護士が設計したアイボのツールは、緻密で骨の折れる契約書レビューにAIを活用することで、社内の法務チームがより正確で迅速に作業することを可能にした」と、今回のシリーズAラウンドを主導したCostanoa Venturesのパートナーであるエイミー・チーサムは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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