【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

北米

2025.02.07 13:00

米議会で「DeepSeek禁止」の超党派法案提出へ、TikTok禁止法と同様の内容に

Anthony Kwan/Getty Images

Anthony Kwan/Getty Images

中国の人工知能(AI)スタートアップ「DeepSeek(ディープシーク)」のチャットボットアプリの政府端末での利用を禁止するための超党派の法案が、2月6日に米連邦議会下院に提出される見通しだ。この動きに先立ち、DeepSeekが米国での事業を禁止された中国の国営通信企業とつながりを持つとのニュースが一部で報じられ、国家安全保障上の懸念が高まっていた。

この法案は、共和党のダリン・ラフッド下院議員と民主党のジョシュ・ゴットハイマー下院議員らが起草したもので、2人はこの法案が、TikTokの政府デバイスでの使用を禁止したものと同様の内容になるとウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

AP通信は、この動きに先立ち、DeepSeekには隠されたコードが含まれており、ユーザーのログイン情報を中国国有の通信大手、中国移動通信(チャイナモバイル)に送信する可能性があるというカナダのサイバーセキュリティ企業、フェルート・セキュリティの分析を報じていた。米国政府は、中国移動が中国軍とのつながりを持つことを理由に米国内での営業を禁止している。

「政府デバイス上のDeepSeek禁止法」と呼ばれるこの法案が成立した場合、米行政管理予算局(OMB)は60日以内にガイドラインを作成し、アプリを政府デバイスから削除する措置を講じることになるとABCニュースは報じている。ただし、一部の法執行機関や国家安全保障関連の活動については例外が認められる。

この法案はまた、DeepSeekを支援する中国のヘッジファンドの「ハイフライヤー・クオント(幻方量化)」が将来開発するプロダクトも禁止対象とする見込みという。

現時点では、この法案が他の議員からも支持を得られるかどうかは不透明だ。しかし、DeepSeekに対する懸念を表明する議員は増えており、背景には、このチャットボットの能力が米国のAI技術を超える可能性や、ユーザーの個人情報が中国政府に送信される危険性が指摘されている。
次ページ > すでに複数の米国機関や他国もDeepSeekへのアクセスを制限

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事