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欧州

2025.02.07 11:30

ウクライナ、ドローンを「進化版」即席爆発装置として使い始める ロシアに不吉な新戦術

地面に置かれた小型のドローン(無人機、本文とは無関係、Altaf Shah / Shutterstock.com)

地面に置かれた小型のドローン(無人機、本文とは無関係、Altaf Shah / Shutterstock.com)

フォーブスの2020年の記事は、即席爆発装置(IED)は自然な流れとしてドローン(無人機)に取って代わられていくと予測していた。IEDは道路脇などに仕掛けられる簡易爆弾で、2001年の米同時多発テロをきっかけとした対テロ戦争の間には反政府武装勢力などによって広く使用された。記事では、商業用ドローン市場の急速な拡大と手ごろな価格が相まって、ドローンは正規軍でも非正規軍でも、敵の作戦を混乱させるための爆発物を運搬する新たな手段になっているとも言及していた。

現在のロシア・ウクライナ戦争はドローン技術、とくにその軍事用途での開発を著しく促進しており、双方がドローンを従来の監視用途を超えて活用している。このほどソーシャルメディアに投稿された動画は、この戦争の勃発前に書かれた記事の予測どおり、ウクライナがドローンを路傍爆弾として使い始め、それにIEDと同様の役割を与えていることを示している。

草むらから襲いかかるドローン

ウクライナ特殊作戦軍の独立西部特殊作戦センター(旧第8特殊任務連隊)が公開したこの動画は、ロシア西部クルスク州で数々の敵目標を攻撃するウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローンのカメラ映像をまとめたものである。動画中の2つのクリップでは最初に、道路脇の地面に配置されたドローンからの映像が映し出される。各ドローンは草むらに半ば隠された状態で置かれ、カメラ越しに道路をはっきりと見渡せるような角度に調整されている。
1つ目の映像では、ロシア軍のありふれた兵員・物資輸送車であるUAZ-452がドローンのそばを通り過ぎる。2つ目の映像では、ロシア軍のウラル-4320補給トラックがドローンの前を通過する。どちらの場合も、ドローンが即座に飛び立ち、車両を追っていき、突っ込んで搭載弾頭を爆発させる。映像はその時点で途切れるが、車両は撃破されたと推定される。

この手法はIEDの効果を再現すると同時に、IEDのいくつかの制約を克服している。とりわけ、ドローンは兵士が直接現場に赴いて設置する必要がなく、みずから飛んでいって配置につくことができる。そのため、敵陣の後方深くで行動する補給車両のような「ソフトターゲット」(防護の薄い脆弱な目標)に対して非常に有効である。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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