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2025.02.14 09:15

ハラスメント、環境問題、SDGs。過度な配慮に疲れが見え始めたか

Getty Images

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近年、社会全体に「配慮」を求める風潮が強まっている。コンプライアンスやジェンダー配慮、ハラスメント防止、環境問題など、多くの場面で慎重な対応が求められる時代となった。しかしその流れが過度になり、人々の間で「配慮疲れ」が広がりつつあるようだ。リサーチとプランニングを手掛けるQO株式会社が公開した生活者見立て通信の第6回「ギブアンドテイクじゃ物足りない! 現代のバランスって、Give&BIG take!?」では、このような現代の生活者の意識変化について触れている。

行き過ぎた「配慮」に対する違和感

QOのレポートでは、生活者が感じる「行き過ぎた配慮」の具体例として、『All Aboutニュース』に寄せられた保護者318人の声をピックアップし、運動会の変化を挙げた。
「徒競走で全員が手をつないで同時にゴールするのを見て、やりすぎではないかと感じた」
「徒競走が男女混合。リレーはともかく徒競走は無理があるように感じる」
「組体操が安全対策のために簡易化され、迫力がなくなった。高学年が行う演技なのでもう少し難しい演技でもよいのでは」
安全や公平性を重視するあまり、本来の競技の魅力が薄れてしまうことに違和感を覚える保護者もいるようだ。
 
また、サントリーの『ザ・プレミアム・モルツ』Web動画「飲みに誘うのムズすぎ問題」も、現代の配慮意識を象徴する事例だと指摘。動画では、先輩社員が後輩を飲みに誘いたいが、パワハラやコンプライアンスの問題を考慮してためらう様子が描かれている。この動画は2024年4月8日時点で、X(旧Twitter)でリポスト4800以上、いいね1.6万以上、1351万回以上表示されるなど、大きな共感を呼んだ。
 
こうした事例から、「何かをしようとする際の慎重さ」が求められる現代において、人々が自由に振る舞うことへの心理的ハードルが上がっていることがうかがえる。

「最低限の配慮」はするが、本音では自分を優先したい

一方でQOは、「最低限の配慮はするが、本音では自分の気持ちを大切にしたい」と考える人が増えているのでは……と分析。『博報堂生活総合研究所』が2024年に調査した結果によると、「国や社会重視派 vs 個人生活重視派」という質問に対し、「個人生活重視派」と回答した割合は、2012年の20.1%から2024年には38.6%に増加している。
 


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文=福島はるみ

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