
以上のことからも、社会的な貢献より自身の生活を優先しつつ、その範囲内で可能な貢献をしたいという意識が強まっていることがわかる。
QOプランナーは、これらの生活者動向の背景にあるインサイトについて、次のようにコメントしている。
「ハラスメントや環境問題、SDGsなど、様々なことに配慮しなければならないという風潮がある世の中。そんな『強制配慮社会』に疲れ切っている方が昨今増加しているように思います。このような状況下では、まずは何よりも自分への配慮を起点とし、それが自然と他者や社会への貢献に繋がっていくことが求められているのではないでしょうか」

社会貢献や他人を思いやる気持ちは確かに重要だし、理想的な心得だ。しかし何かを提供したり配慮する際、本音では自分にとってそれに見合うだけのリターンをつい期待してしまうのはしごく当たり前の心理ではないか。なぜなら「損した気分になりたくない」というのがヒトの根幹にあるからだ。昨今の「強制配慮」に疲れた人々は、この当たり前の欲求に気づき始めている。これらの変化は企業やブランドにとっても無視できないポイントであり、生活者に何かを求める際にはそれ相応のメリットを提示する必要があることを示している。
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