「パートナーとの関係」をどう評価するかは、根源的世界観と直結する
こうしたルメイ教授の研究結果から、1つのシンプルな真実を導き出すことができるだろう。それは、私たちの世界観が、パートナーとの関係に対する見方に直結する可能性が高い、ということだ。もちろん、この世を生きていくなかで遭遇する、多くの苦痛を無視することはできない。それでも、私たちの周りには美しいものがたくさんあることも、無視はできないだろう。当然ながら、同じことは愛情についても当てはまる。
結局のところ、私たちが持つ世界観は、自ら能動的に選び取ったものであり、この世を受動的に観察した結果だけで成り立っているわけではない。私たちは、毎日身の回りで起きる苦しみや破壊に目を向けることもできるし、美しいもの、希望、変化の可能性に焦点を合わせることもできる。
これは、私たちのパートナーとの関係にも当てはまる。言い争いや失望、傷心についてくよくよ考えることもできるし、2人を結びつけてきた愛情や信頼を愛おしく思う道を選ぶこともできる。
これは何も、苦痛を無視して、人生や恋愛関係に存在する問題を取り繕うべきだということではない。そうではなく、困難の存在を受け入れつつも、ネガティブな出来事をもとにして自分の視点を構築しないことが大切、ということだ。
我々が、この世界、そして愛する人たちについて、良いところや美点があると信じる道を選ぶとき、我々は、成長や愛、豊かさを信じることを自分に許すのだ。
まさにルメイ教授の研究結果が示しているように、前向きな結果に焦点を合わせて人生やパートナーとの関係にアプローチすれば、人生と恋愛、両方に対する関わり方を、根本から変えることができる。これにより、単に苦痛を避けることから、能動的に喜びや意味を見いだす方に、自分のエネルギーの向かう先を切り替えることができるはずだ。
というわけで、人生やパートナーとの関係で、争いや絶望の瞬間に直面した時には、自分に以下のような問いを投げかけてみてほしい。自分はこれから何に目を向けるのか? いま目の前にある問題か、あるいは、癒しと成長の可能性か? 自分の基礎となる部分に生じたひび割れか、あるいは、一緒に築き上げてきた関係の素晴らしいところか?
この世界、そしてパートナーとの関係は、これからも常に、美しく、なおかつ不完全であり続けるだろう。だが、「良いところに焦点を合わせる」と選ぶことで、祝福に値する人生と愛情を生み出すことができるはずだ。
(forbes.com 原文)