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Zhang Peng/LightRocket via Getty Images


中国が通貨、人民元の切り下げに踏み切った。直近の株式市場の暴落からみて、これは予想されたことだった。中国政府は様々な手段、特に政府統制下にあるメディアを利用して、買われ過ぎのレベルまで株価を押し戻そうとしていたが、それは、通貨切り下げという最終手段に至る前ぶれとしか解釈できなかったからだ。

経済が強い国は、強い通貨を持つ。成長率7%、巨大かつ増大する貿易黒字、世界最大の外貨準備率-好調を維持してきた「富める中国」だったが、今回の中国政府の対応は、この経済に問題が生じていることのシグナルだ。

「通貨切り下げはより自由な市場に向けての移行に伴うもの」と中国当局は主張するが、短期的に世界経済に寄与することはない。世界的な懸念材料であるデフレ圧力を増すことに加え、世界貿易のバランスをさらに中国有利な方向に傾けるからだ。しかし、たとえ中国が輸出主導の成長モデルに戻ろうとしていても、世界経済は当面、富める中国を必要としている。

習近平国家主席にとって鬼門の経済政策だが、政府が行うべきは輸出刺激策ではなく、一貫した規制緩和と改革のように思われる。依然として国営企業が幅を利かす経済構造の改革について習政権は口ではやると言いながら、今日までほとんど具体的な成果を上げていない。国営部門で無駄に費やされている資本や経営資源を、1980年代のように生産性の高い分野に振り向ければ、中国の経済運営はよりスムーズなるだろう。

国外からの投資を呼び込むにはさらなる努力が必要だ。世界第二の経済大国に対する直接投資に世界のビジネス界があまり関心を抱いていないのは危険な兆候だ。法の透明性と採用・解雇制度の柔軟性の欠如、その他のビジネスに課された負担が中国経済を圧迫している。経済および競争政策上の根の深い問題の処方箋としての人民元切り下げは、世界貿易の多大な不均衡を考慮すると、中国だけでなくいずれの国にとっても有益では在り得ない。

残念ながら中国の通貨切り下げは続きそうだ、UBSの予想では、今年末には1ドル6.6元、来年末には6.7元。そうなった場合、中国の政策担当者は対米貿易黒字がどの程度まで達するとみているのか、それが米大統領選に与える影響をどう考えているのか、疑問は尽きない。

翻訳編集 = 加藤雅之

 

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