東京科学大学、岡山大学、高知大学などによる研究チームは、火星周回衛星「「マーズ・リコネッサンス・オービター」」が撮影した画像を解析して、地下数十センチメートルから数メートルの浅い地中に、永久凍土の形で水が大量に存在すると思われる場所の精密な推定に、世界で初めて成功した。

永久凍土がある場所は、地中の水の凍結や融解により「周氷河地形」という独特な地形が形成される。研究チームの手法は、火星表面で周氷河地形が分布している地域を詳しく調べるというものだ。そうして判明した地域は、隕石の衝突で誕生した新しいクレーターの底に地下水が確認された場所や、気象モデルにより大量の降雪があるとされる場所とも一致した。
調査したのは、有人探索が計画されている北緯30度から42度の中緯度の地域。その結果、アラビア台地、ユートピア平原、アマゾニス平原に周氷河地形が多数分布していることがわかった。研究チームは、有人活動に欠かせない水脈のある場所として、有人火星探査船の着陸候補地として提案を行っている。
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