その後、トランプが暗号資産関連の大統領令を発する準備を進めていると報じられる中、トランプの妻であるメラニアが自身の暗号資産を立ち上げ、$TRUMPの価格を急落させた。
次期ファーストレディーであるメラニアは19日に、「公式のメラニアミームが公開されました。今すぐ$MELANIAを購入できます」と、X(旧ツイッター)に投稿し、このコインを購入可能なサイトへのリンクを添えた。
$MELANIAの価格は、立ち上げ直後に一時に14ドルに達し、その後は8ドル前後で取引されているが、時価総額は80億ドル(約1兆2000億円)を超えている。一方、$TRUMPの価格は、メラニアがコインをリリースした直後に急落して41ドル前後で取引されており、ピーク時の約74ドルから約45%下落して、時価総額は約95億ドル(約1兆5000億円)に沈んでいる。
トランプのコインと同様に、メラニアのミームコインもSolana(ソラナ)のブロックチェーン上で構築されている。ビットコインに似た暗号資産の一種であるミームコインは、コミュニティの関心やエンゲージメントに応じて価格が変動する。
週刊ニュースレター、TKLの発行元であるThe Kobeissi Letterのアナリストは、「この状況は常軌を逸している」と、Xに投稿した。「わずか48時間前にトランプが立ち上げた$TRUMPは、10分間で75億ドル(約1兆1700億円)の価値を失った。メラニアのトークンの立ち上げを受けて、大量の売り注文が$TRUMPに殺到した」
一方、暗号資産系インフルエンサーのマリオ・ナウファルは、「暗号資産は、どうやらトランプのファミリービジネスになりつつあるようだ」とXに投稿した。
17日以降に記録した$TRUMPのリターンは3桁台に達しているが、一部のトレーダーは、トランプのSNSアカウントがハッキングされたと信じ込んで投資の機会を逃していた。
トランプ夫妻のミームコインの立ち上げは、第2次トランプ政権の暗号資産と人工知能(AI)の責任者に任命された投資家のデービッド・サックスが、米国における暗号資産イノベーションの新時代を宣言した直後に行われた。
「暗号資産に対する恐怖の支配は終わり、米国における暗号資産イノベーションの新時代が今始まった」と、サックスは17日の「クリプトボール」と呼ばれるイベントで語っていた。このイベントは、暗号資産コミュニティの支持をトランプに集め、その価値を次期政権に示すことを目的としたものだった。
(forbes.com 原文)