欧州

2025.01.07 09:30

ロシア軍、ポクロウシクへの包囲網狭める ウクライナは頼みの増援部隊が「自壊」

Shutterstock.com

これは弥縫策としては最善のものかもしれない。ウクライナの戦場記者ユーリー・ブトゥソウは、ポクロウシク方面の既存部隊について「歩兵部隊の人員が深刻に不足しており、そのため広い区画を保持できない。一方で経験豊富なドローン部隊、司令部、指揮官は存在していて、動員された人員を迅速に訓練して戦闘準備の整った状態にする能力がある」と書いている
advertisement

第59自動車化旅団や近傍の部隊は、自陣の反対側でロシア軍がさらに兵力を集中させるなか、得られる限りの支援を必要としている。ウクライナ側では、10個前後の旅団や連隊の一部もしくは全体が、ポクロウシクと、計数十個の旅団や連隊を統括するロシア軍2個野戦軍との間に広がる15kmかそこらの前線を維持している。全体として、ロシア軍とウクライナ軍の兵力差は3対1ほどの開きがあるかもしれない。

ポクロウシク方面でロシア軍が最も強力な場所は、ウクライナ軍が最も脆弱な場所のようだ。それはまさに第59自動車化旅団が守備している区域だ。CDSは「現在、前線の南東方面全体にわたる最大の脅威は、ポクロウシクの南で敵が作戦・戦術上の突破を果たすことから生じている」と指摘している。

第59自動車化旅団や、同旅団が第155機械化旅団から取得できるかもしれない兵士や車両がロシア軍を食い止めることができなければ、ポクロウシクの守備隊はたちまち部分的に包囲されてしまうおそれがある。そうなれば、2025年最初の大きな戦いになりそうなポクロウシク攻防戦において、ウクライナ軍にとって不吉な展開になる。
advertisement

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事