北米

2024.12.13 12:00

シリコンバレーの大物が結集する「トランプ体制権強化」のロビー団体

Photo by Spencer Platt/Getty Images

同団体は、ビショップによると、これまでサム・アルトマンが支援する次世代原子力発電のスタートアップであるOklo(オクロ)や、エアタクシー企業のJoby Aviation(ジョビー・アビエーション)などの支援者から、数百万ドルの資金を集めており、企業は1万ドル(約152万円)から25万ドル(約3800万円)のメンバーシップ費用を支払っているという(なお、スペースXやアンドゥリル、アンドリーセン・ホロウィッツはメンバーに含まれていない)。
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また、NAIAの政策責任者のルーサー・ローは、9月に初の防衛テック企業への投資を発表したYコンビネータも参加したと語った。

防衛や原子力関連を後押し

NAIAの立ち上げは、ウクライナや中東での紛争、米中間の緊張の高まりを背景とした、軍事関連や航空宇宙、原子力エネルギー分野へのベンチャーキャピタルの投資の急増の中で行われた。パランティアの最高技術責任者(CTO)でNAIAの顧問であるシャイアム・サンカーは「米国は製造業を復活させて紛争のエスカレーションを防ぎ、抑止力を取り戻さなければならない」とフォーブスに寄せたEメールで語った。

非営利の業界団体に区分されるNAIAは、今後の数カ月で政策提言を開始する予定で、その対象には、国防総省の予算や半導体関連のCHIPS法、先進原子力技術の導入を促進するアドバンス法などの立法を含んでいるとビショップは語った。また、工場などの製造施設の環境審査の免除を含む税制優遇措置と許認可システムの簡素化を求める方針という。

パランティアのサンカーは、「第二次世界大戦の幕開けの頃の米国は、世界一の大量生産の国だったが、今はそうではない」と語り、その原因の1つに1990年代の防衛企業の統合を挙げた。この統合によって、ノースロップ・グラマンやロッキード・マーティン、ボーイングなど数社の大手請負業者が防衛業界を支配するようになり、「競争とイノベーションを妨げた」と彼は主張している。
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彼らはまた、グローバリゼーションが米国の製造業を衰退させ、中国の台頭を促したと述べている。NAIAの顧問で、元国家安全保障会議スタッフのジョシュア・スタインマンは、「トランプ大統領の『アメリカ・ファースト』政策を推進するために、積極的な姿勢を取る」と述べた。

NAIAは、ビショップに加えて保守派の論壇雑誌であるAmerican Affairs(アメリカン・アフェアーズ)を創設したジュリアス・クレインや、製造業のスタートアップHadrian(ヘイドリアン)のCEOを務めるクリス・パワー、人工知能(AI)を活用した製造ソリューションのAtomic Industriesを共同創業したアーロン・スロドフらが主導している。彼らは、今年夏にデトロイトで開催された製造業セクターを再活性化させるためのカンファレンスのReindustrialize(リインダストライズ)の前にNAIAのアイデアを練ったという。

ビショップによると、このカンファレンスは、今後のNAIAの議題や活動に主要な役割を果たす予定で、2025年に第2回の開催を計画中という。

「我々にはおそらく4年間のチャンスがある。人々に米国の製造業が危機的な状況にあることを認識させ、中国に対抗して、国内の製造業の強化によって再び超大国になるための行動を起こす機会が訪れている」とヘイドリアンのパワーは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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