論文の著者らは次のように述べた。「地中海地方の伝統的な食事を取り入れることが、繰り返し風邪をひき、炎症性合併症を頻繁に引き起こす患者の治療に役立ち、発症や症状を大幅に低減させることも重要な知見だった。ただし、決定的な証拠に欠けるため、地中海式の食事をたくさん取り入れるほど新型コロナウイルス感染症の症状や重症度が軽減されると考えるのは、あまりに推定的かもしれない」
著者らは今回の研究から、地中海地方で消費される特定の食品群が新型コロナウイルスに感染する確率を低下させる可能性が示されたが、決定的な結論を出すにはさらなる研究が必要だと述べた。
スイス科学誌「
栄養学の最前線」で2022年に紹介された研究でも、地中海式の食事が新型コロナウイルス感染症を予防する可能性が示された。この研究では、オリーブ油のような食品を単独で摂取するより、地中海地方の食事を完全に取り入れることによって大きな効果が得られるとされた。
スイス科学誌「
内分泌学の最前線」に2020年に掲載された論文では、地中海式の食事療法は糖尿病患者にも有効で、新型コロナウイルスに感染しにくくなる可能性があると報告された。地中海式の食事の特徴について、論文は次のように定義している。植物性食品を多く取り入れ、脂肪は主にオリーブ油から摂取する。魚や乳製品、鶏肉の摂取量は低~中程度で、赤身肉や加工肉の摂取を控え、食事中に取る赤ワインの量を中程度までに抑えることだ。
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forbes.com 原文)