バンクマン=フリードは、おそらくまだ自身が直面する現実を受け入れられていない模様で、彼の獄中日記には、異文化を観察する人類学者のようなシニカルなムードが漂っている。彼は、他の囚人たちを「バナナを巡って戦争を始めたり、ドラッグを手に入れるために全財産を投げ出したりする」と形容している。さらに、長い刑期の中で「人生を諦めた」グループと、自身がそこに属すると考える第3のグループにも触れている。
「反抗するための自由を最初に奪い取るシステムに、どうやれば反抗できるだろうか。本当の自分の姿に危険だという烙印を押され、檻に閉じ込められた場合に、どうやって自分らしくあり続けられるだろうか」と彼は問いかけている。
彼はまた、「デュース」と呼ばれる薬物の蔓延について詳しく記している。この薬物は、紙に浸された形で刑務所内に密輸され、吸った囚人を一晩中ゾンビのように変えるものだという。また、刑務官が密輸品を没収したエピソードも語られている。
「今夜は、枕を失った。仕方なくタオルと囚人服を組み合わせて頭を支えているが、全然うまくいかない。首が痛い」と、バンクマン=フリードは述べ、幼少期のぬいぐるみについて回想している。
「私は、2歳のときに犬のぬいぐるみをもらって以来、ほぼ毎晩彼といっしょに眠っていた。スタンフォードからボストンの大学、ニューヨークでの仕事、バークレーでのアラメダの設立、香港でのFTXの設立、バハマのFTX本社、そして自宅に軟禁中のときも、どこにでも連れて行った。マンフレッドが恋しい」と彼は記している。
(forbes.com 原文)