彼は、フォーブスに宛てた獄中日記の中で、刑務所で枕が与えられないことに不満を漏らしている。「何なんだよ、枕がないなんて! 眠ることすら許されてないのか?」と、彼はメディアに売り込んでいる日記に書いている。
2021年に保有資産が265億ドル(約3兆9700億円)と報じられたバンクマン=フリードは今、枕やぬいぐるみ、特に「マンフレッド」という名前のテディベアなしでは眠れず、それが原因で腰痛になったと述べている。彼はまた、刑務所内の同房者にマフィン2個を渡して、破れたマットレスの中身をTシャツで包んで作った枕を入手したことについても記している。
フォーブスは、この日記の3章分をバンクマン=フリードの父のジョー・バンクマンからEメールで入手した。ジョー・バンクマンは、フォーブスの寄稿者で、自身もホワイトカラー犯罪の前科を持つウォルター・パヴロを息子のコンサルタントとして雇っている。バンクマン=フリードが、この日記の出版を目指す動機は不明だが、金銭的な動機からではないようだ。
彼は、詐欺事件の判決の一環として、11億ドル(約1650億円)の没収に直面しており、FTXは、被害者に数十億ドルを返還するよう求められている。そのため、彼の日記が7桁の契約金を獲得したとしても、彼自身は金銭的利益を得られない。
元億万長者の塀の中の暮らし
バンクマン=フリードの日記の多くは、同房者に焦点を当てている。その中の1人のハリーという名前の囚人について彼は、「親切だがうるさくて筋肉質のホモフォビア」だと述べ、フレディ・マーキュリーの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』に執着していると描写している。また、囚人たちの多くは、スポーツ観戦をしながら賭け事をしており、バンクマン=フリードは、彼らのスポーツ賭博を軽蔑している。彼はまた、刑務所内に時計が足りないことに不満を漏らしている。「刑務所では時間を把握するのが難しい。分や時間、日、月、年、そして何十年もが、何の区切りもなく過ぎていく。刑務所は、外の世界であなたがどれだけ無意味な存在であるかを強調するために、時間すらも重要でないと教え込もうとしているかのようだ」と彼は書いている。