3. ガラパゴスペンギン──生息地:ガラパゴス諸島
ガラパゴスペンギン(学名:Spheniscus mendiculus)は、赤道直下に分布する唯一のペンギンであり、ガラパゴス諸島の固有種だ。最も北に生息するペンギンで、冷たいフンボルト海流の恩恵を受け、カタクチイワシなど寒冷海域の魚を獲物とする。ガラパゴス諸島を構成する主要な十数島のうち、有人島は4つ。島々の景観は、マングローブ、活火山、淡水湖、溶岩洞、緑豊かな森と、農村や漁村が共存している。
ガラパゴスペンギンは、サメやアシカといった在来の天敵に加えて、島々に定着したネズミや飼い猫の餌食になることもある。また、世界各地から流出したプラスチックごみが海岸を埋めつくし、ペンギンたちの移動を制限している。
ガラパゴスペンギンは進化の過程で、熱帯の島々で涼しく過ごす方法を身につけた。羽毛は南極の種と比べてあまり密生しておらず、構造も異なる。また、暑い時にはイヌのように口を開けて呼吸し、体にこもった熱を放出する。
4. ケープペンギン──生息地:アフリカ南部沿岸
ナミビアと南アフリカの海岸には、人間をあまり恐れず、近寄って観察できることで知られるケープペンギン(学名:Spheniscus demersus)が暮らしている。ロバのような大声で鳴くことから「jackass penguin(雄ロバペンギン)」のニックネームで呼ばれることもある。ケープペンギンはアフリカ大陸に分布する唯一のペンギンで、ナミビアと南アフリカにまたがる24の島々に生息する。これらの島々には陸生の捕食者がほとんどおらず、これが人間への警戒心の薄さの理由ではないかと考えられている。大陸本土でも捕食者が減少したことにより、1980年代に南アフリカのケープタウン近郊に2つのコロニーが形成された。
しかし、海中での彼らは安全とはいえない。サメやオットセイ、シャチの餌食になることがあるからだ。生まれたばかりのヒナにとっては、上空を旋回するカモメも捕食者であり、回避する方法をすぐに身につけなくてはならない。
19世紀はじめ、ケープペンギンは推定400万羽が生息していたとされるが、いまや個体数は当時の5%未満に激減した。今日では、この驚異の鳥たちの野生の姿をぜひ見たいと願う大勢の観光客が南アフリカを訪れている。
(forbes.com 原文)