働き方

2024.11.15 16:00

何かと負担が大きい年末、職場で罪悪感なく「ノー」と言う方法

Shutterstock.com

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年末は、喜びやリラックス、仕事から解放される時期と思われているが、その真逆のように感じている社会人も多いことだろう。個人的な義務やお祝いに加え、年末には厳しい締め切りやギリギリのプロジェクト、新年の目標設定というプレッシャーが加わる。休みを取った同僚の分まで仕事をすることになったという人もいることだろう。

実際、アメリカ心臓協会が発表した最近の調査によると、米国における成人の63%が、年末は納税の時期よりもストレスが多いと回答している。

この時期にストレスを完全になくすことは不可能かもしれないが、仕事とプライベートの間に明確な境界線を設けることで、メンタルヘルスを守り、燃え尽きを防ぐことができる。境界線を設定することで、自分の責任と、休息やリラクゼーションの必要性の両方を管理し、自信を持ってこのシーズンを乗り切ることができるだろう。

職場で健全な境界線の設定が重要な理由

健全な仕事上の境界線とは、仕事とプライベートな生活を明確に分けることだ。この境界線がないと、自分でも気づかないうちに、仕事がプライベートな時間と空間を支配してしまうかもしれない。仕事で頭がいっぱいになり、自分の時間がほとんど持てなくなると、ストレスがたまる一方だ。

仕事に打ち込み、必要に応じて同僚をサポートするのは良いことだが、自分の幸福を後回しにしてしまうのは良くない。常にバランスが重要なのだ。明確かつ健全な境界線を設定することで、このバランスが促進され、燃え尽き症候群を防ぐ体制が整う。

境界線を設定すべき状況

年末の時期には、自分の時間と心の健康を守るために、境界線を設定することが特に重要な場面がある。以下はその例だ。

・年末年始の慌ただしさに対応するため、勤務時間を超えて仕事をするよう頼まれる
・同僚が年末年始に休暇を取り、その分の仕事をカバーするよう頼まれる
・事前に予定を入れていたのに、職場の忘年会に出席しなければならなくなった
・休暇中に仕事関連のメールやメッセージを受け取る
・締め切りに間に合わせるために、仕事を家に持ち帰らざるを得ない

これらは、社会人が年末に直面する一般的な課題のほんの一部に過ぎない。助けたい、チームプレーヤーでありたいと思うのは自然なことだが、いつ自分のニーズを優先しなければならないかを認識することは非常に重要だ。このような状況を早い段階で把握することで、明確な境界線を設定し、よりバランスの取れた充実した年末を過ごすことができる。

罪悪感なく「ノー」と言うためのヒント

境界線を築くうえで、最も難しいことの1つは「ノー」と言うことだ。断ることで相手の気持ちを無視し、自分勝手だと思われるのではないかと罪悪感を抱く人もいるだろう。しかし、自分自身のニーズは他の誰よりも重要である。はっきりと断ることは、わがままではなく、自分を大切にすることだ。以下では、罪悪感を感じることなく断るために重要なポイントを紹介する。

・自分の時間の価値を認識する。プライベートでも仕事でも、自分にとって本当に重要なことを明確にする必要がある。優先順位が明確になれば、その目標に沿わない依頼を断ることも容易になる。自分の優先順位を理解することで、自分の時間を守り、本当に重要なことに集中しやすくなる。

・率直かつ丁寧なコミュニケーションをする。シンプルでわかりやすい返事を心がける。説明しすぎたり、長い言い訳を並べたりする必要はない。多くの場合、明確で正直な「ノー」と簡潔な理由で十分なのだ。時には「ノー」としか言えないこともあることを覚えておこう。

・代替案を提示する。依頼に応えられない場合は、別の解決策を提案することを検討しよう。こうすることで、自分の時間や他の優先事項を犠牲にすることなく、役に立つことができる。例えば、休暇を取る予定の日に同僚からプロジェクトの手伝いを依頼されたとき、対応できる他の同僚を紹介したり、別の日付で協力する提案をしたりする。代替案を提示することで、問題を解決しようとしている姿勢を相手に示し、自分の幸福を損なうことなく、前向きな人間関係を維持することができる。
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翻訳=江津拓哉

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