宇宙

2024.11.13 18:00

死にかけの恒星を周回する「未来の地球」発見、80億年後の太陽系の姿か

白色矮星を公転する岩石惑星を描いた想像図(Getty Images)

地球サイズの太陽系外惑星から見た主星の赤色巨星を描いた想像図(ESO/L. Calçada)

地球サイズの太陽系外惑星から見た主星の赤色巨星を描いた想像図(ESO/L. Calçada)

未来の地球はどうなるか?

地球は、理論上は太陽の赤色巨星段階を切り抜けるかもしれないが、その未来は決してバラ色ではない。太陽が膨張し始めるのは、早ければ10億年以内かもしれないし、あるいは60億年後かもしれないと科学者は考えている。いずれにしろ、地球の軌道経路長が倍になるとしても、太陽の膨張によって最終的には、地球は海洋が蒸発して高温の溶岩惑星となり、完全に生命生存不可能な環境になる。そして80億年後までには、地球の残骸が白色矮星を公転しているかもしれない。
advertisement

論文の筆頭執筆者で、カリフォルニア大バークレー校の元博士課程学生のケミン・チャンは「60億年以内に地球が赤色巨星の太陽に飲み込まれるのを回避できるかどうかについては、現時点では意見の一致を見ていない」として「いずれにしても、惑星としての地球が生命生存可能な状態なのは、あとほんの10億年ほどだ。その時点で、地球の海洋は暴走温室効果によって蒸発してしまうだろう。赤色巨星に飲み込まれる恐れが出てくるよりもずっと前のことだ」と述べている。チャンは現在、米カリフォルニア大学サンディエゴ校で、エリック・アンド・ウェンディ・シュミッツ科学分野におけるAIポスドクフェローシップ博士研究員を務めている。

人類は外太陽系に避難場所を見つけることができるのだろうか。「太陽が赤色巨星化するにつれて、ハビタブルゾーン(生命生存可能領域)が木星や土星の軌道あたりに移動し、これらの衛星の多くが海洋天体になる」と、チャンは説明している。「人類はそこに移り住むことができるかもしれない」

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事


advertisement