宇宙

2024.11.12 18:00

2つの流星群が流れ、「今年最後のスーパームーン」が昇る今週の夜空

イタリアの城砦ロッカ・カラッシオの背後に昇るビーバームーンの満月。2022年11月9日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

イタリアの城砦ロッカ・カラッシオの背後に昇るビーバームーンの満月。2022年11月9日撮影(Lorenzo Di Cola/NurPhoto via Getty Images)

今週の夜空の見どころは、2024年最後の「スーパームーン」だ。16日(土)に昇る満月は、通常より大きく見える。週末に極大を迎えるしし座流星群はちょっと見えにくいかもしれないが、おうし座北流星群は週前半に見ごろを迎え、月明かりを気にすることなく明るい「火球」を観察できそうだ。

光害の影響を受けない地域や、大型望遠鏡を使った観測では、天王星を観察するのにもってこいの週でもある。天王星は太陽から遠く離れた暗い天体だが、まもなく年に一度、いつもより明るく見える「衝(しょう)」となる。

11月第2週の星空について知っておきたいことをまとめた。

11月12日(火):おうし座北流星群が見ごろ

カナダ・シムコー湖で観測されたオーロラとおうし座流星群の火球。2015年11月9日撮影(Getty Images)

カナダ・シムコー湖で観測されたオーロラとおうし座流星群の火球。2015年11月9日撮影(Getty Images)

おうし座北流星群は12日ごろに極大を迎える。はっきりとした極大がなく、1時間あたりの流星数は5個程度と大きな流星群ではないが、今週見られる「流れ星」はおうし座北流星群とみて間違いない。

今週は月が明るく流星群の観測条件はあまりよくないように思えるかもしれないが、おうし座流星群は「火球」と呼ばれる明るい流星が多く流れる。母天体は「エンケ彗星(2P/Encke)」で、太陽系を通過した際に軌道上にばらまいた塵や破片が流星となって地球に降りそそぐ。

11月16日(土):スーパー・ビーバームーン

今年11回目、最後から2番目の満月は、通常より大きく明るい「スーパームーン」を拝める年内最後のチャンスだ。東北東からの月の出を待ち構えて、壮観な眺めを楽しんでほしい。満月の後を追って木星も昇ってくる。

米ニューヨークのエッジ展望台と満月。2020年11月29日撮影(Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images)

米ニューヨークのエッジ展望台と満月。2020年11月29日撮影(Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images)

11月の満月は、冬に備えてビーバーが巣作りをする時期であることにちなんで「ビーバームーン」と呼ばれる。「フロストムーン(霜月)」や、冬至前の最後の満月をさす「モーニングムーン」という呼称もある。

11月17日(日):しし座流星群が極大

多い時には1時間に100個以上の流星が出現する「流星雨」となることで知られている流星群だが、今年は期待しすぎないほうがいいだろう。夜半過ぎに1時間あたり15個ほどの流れ星が見られそうだが、スーパームーンの満月の翌日とあって夜空はかなり明るい。

しし座流星群(Getty Images)

しし座流星群(Getty Images)

今週の惑星:天王星

太陽系の第7惑星である天王星は、11月17日(日)に地球から見て太陽と正反対の位置関係にくる「衝(しょう)」を迎える。地球との距離が最小となるため、天王星は少し明るく輝く。衝の効果は一晩だけではなく、前後数週間にわたって青緑色の円い星の姿が少し見やすくなる。

日没時に東の空から昇り、5.6等の明るさで、暗い空なら肉眼でも観測できる。とはいえ望遠鏡を使うのが一番だ。6インチの望遠鏡でも、その色合いはほぼはっきりと見える。

天王星のイメージ図(Shutterstock.com)

天王星のイメージ図(Shutterstock.com)

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「今年最後のスーパームーン」が輝き、宵の明星と三日月が寄り添う11月の夜空

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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