問題は、職場がZ世代に「慣らしの機会」を提供することなく、職場に溶け込むことを期待する場合に生じる。このようなコミュニケーションギャップは誤解やミスを招きやすく、また、実際にはコミュニケーション方法が異なるだけにもかかわらず、Z世代が仕事熱心でないという印象につながりかねない。
3. 仕事最優先の考え方は拒否
Z世代が職を失う最も決定的な理由は、長時間労働や常時対応、仕事漬けの生活を重視する従来の労働文化を拒否している点だろう。彼らより年長の世代にとって成功とは、勤勉さや会社にキャリアを捧げることと結びついている。ミレニアル世代の「ハッスル文化」は出世のために夜も週末も祝日も働くという考えを美化していた。だが、Z世代はそうした考えをよしとしない。彼らが求めているのは給料以上のもの──バランスや意義、そして雇用とは別の個人的な充実感だ。
デロイトの別の報告書では、調査に参加したZ世代の半数が就職を検討する際の最優先事項の1つに「ワークライフバランス」を挙げた。この「本音をはっきり口にする」世代は、有害な職場環境に我慢することをせず、思っていたのと違う仕事はすぐに辞める。
これは必ずしも怠惰ということにはならない。Z世代はキャリアアップよりも、個人のウェルビーイングやメンタルヘルスを優先する傾向が強い。こうした優先順位の変化は、年長の同僚や、従業員に期待以上の成果を求める企業にとっては不快かもしれない。Z世代は残業したり、勤務時間外でも常にEメールに対応したりすることを好まない。
Z世代が直面する職場の問題の多くについて、全て彼らに非があるわけではないと認識することが重要だ。Z世代は、雇用の安定やキャリアアップといった約束が守られるとは限らない、目まぐるしく変化する世界で育ってきた。必ずしも報いてくれるわけではない会社で働くばかりが人生ではないことを悟っているのだ。
Z世代が解雇されるのは、単に彼らが「ダメな世代」だからではない。Z世代は時代遅れの働き方や現代のニーズに適応できていない職場と格闘しているのだ。
(forbes.com 原文)