米軍とOpenAIの取り組み
しかし、複数のメディアで先月、FBIが何らかの理由でキャラソフトのオフィスを家宅捜査したと報じられた。同社は当時、同社が過去に取引を行った企業に関連するFBIの調査に協力していると報道陣に伝えていた。また、ブルームバーグは、キャラソフトがSAPと共謀して国防総省との契約で価格操作を行い、政府が同社を訴えたと報じた。キャラソフトはこの件についてのコメント要請に応じていない。
OpenAIがペンタゴンとの関係を強化する取り組みは昨年、同社が米国防総省と米国国土安全保障省(DHS)に対して20万ドル以上のロビー活動を行ったことから始まったとフォーブスは報じていた。また、OpenAIはサイバー攻撃を防ぎ、システムの脆弱性を自動修正するツールを米軍と共同開発しているとブルームバーグは報じていた。
さらに、防衛関連以外でも、OpenAIはキャラソフトと共同開催する一連のイベントやウェビナーを通じて、政府機関を積極的にターゲットにしている模様だ。5月にOpenAIは、地方政府や州政府の職員にChatGPTを内部で活用して従業員の生産性を向上させる方法を紹介するウェビナーを開催している。
キャラソフトのウェブサイトに公開されたデモでは、OpenAIの政府向け販売責任者であるフェリペ・ミロンが、同社のモデルは指数関数的により賢くなっていると述べ、次世代のモデルは現在のChatGPTの基盤となっているモデルの100倍の能力を持つと主張した。このデモ中、OpenAIの従業員は、同社のモデルがデータ分析や翻訳、政策メモの草案作成に使用できることを強調した。
政府との契約に群がるAI企業
キャラソフトは、OpenAI以外のスタートアップも巻き込んで政府向けのAI市場に参入しているようだ。AIモデルの訓練用データやソフトウェアを提供する評価額が140億ドルのScale AI(スケールAI)も、キャラソフトのCHESS契約に含まれるベンダーの1つだ。複数のAIスタートアップがフォーブスに対し、キャラソフトとの契約を通じて政府とのビジネスに進出していると語った。その中には、AIコーディングのスタートアップのCodeiumや、パランティアの元エンジニアが設立したAIインフラスタートアップのThread AI、そしてディープフェイク音声検出やAI音声生成ツールを提供するResemble AIが含まれている。
リゼンブルAIのCEOのゾエイブ・アーメッドは、同社が約3カ月前にキャラソフトと提携し、同社のAI音声検出モデルが、すでに米国内外の法執行機関や情報機関で使用されていると述べている。
「スタートアップは通常、自社の技術を公共部門に紹介するのに苦労します。しかし、キャラソフトの名前を出せば、彼らは少なくともそれが誰であるかを知っています」とアーメッドはフォーブスに語った。
(forbes.com 原文)