映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」アメリカの分断を近未来の内戦で描く

戦場カメラマンのリー(キルステン・ダンスト)と記者のジョエル(ワグネル・モウラ) は、この14 カ月の間に一度もメディアの取材を受けていない大統領への単独会見を狙ってニューヨークからワシントンへと向かう。
リー(キルステン・ダンスト)は、著名な戦場カメラマンとして幾多の戦火を潜り抜けてきた(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

激しい戦闘が続くなかで首都までたどり着くためにはかなりの迂回ルートを取らねばならず、2人はそのアドバイスをリーのメンターでもあるベテラン記者サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)に求める。

結局、サミーは同行することになり、さらにリーが取材中に出会った若い戦場カメラマン志望のジェシー(ケイリー・スピーニー)も加わり、4人は西部勢力の前線基地シャーロッツビルに向けて、車に乗り込んで出発する。
リーを戦場カメラマンとしてリスペクトするジェシー(ケイリー・スピーニー)は、なかば強引にワシントンへと向かう一向に加わる(c)2023 Miller Avenue Rights LLC; IPR.VC Fund II KY. All Rights Reserved.

途中、リーたちは燃料補給のためガソリンスタンドに立ち寄るが、そこには不穏な雰囲気が漂っていた。ジェシーは武装した男たちが「略奪者」と呼んでいる2人の人間を拷問している場所を目撃する。しかし戦場カメラマン志望のジェシーはシャッターを切ることができなかった。一方、リーは冷静に現場をカメラに収めていく。

道中、激しい銃撃戦に遭遇したり、正体不明のスナイパーの狙撃の現場に立ち会ったりしながら、リーをリスペクトするジェシーは次第に戦場カメラマンとしての力を発揮するようになっていく。
次ページ > 「分断」を超えた「崩壊」

文=稲垣伸寿

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事