起業家

2024.10.10 14:30

アジアNo.1のパートナー管理クラウドへ、リクルート出身起業家が仕掛けたパートナープロップ

坂田:SaaSには、ワークフローの自動化とリアルタイム同期による生産性の向上、デジタル化によるデータドリブンな業務プロセスの高度化という提供価値がありますが、組織をまたいで管理する領域は難易度が高く、それゆえに課題が残されてきました。PartnerPropがユーザーに最適なUI/UXを設計できているのはすごいことだし、このスピード感でビジネスを推進できる起業家とご一緒できるのは久々です。井上さん自身、今回のファイナンス活動には手応えを感じていたのではないですか。

井上:確かに、20〜30社ほどのVCと面談しましたが、ほとんど断わられることなく、前向きに検討いただきました。そんななか、坂田さんは出資が決まる前からお客さんを紹介いただくなど、当事者意識が高くてとても頼もしかったです。PartnerPropはリリースしてまもないですが、最初からエンタープライズ企業に導入が進んでいて手応えを感じています。

日本企業の売り上げ比率は直販よりもパートナー経由のほうが多いという統計がある一方、これまでセールス系SaaSは直販に関するものが主流で、市場規模が大きいパートナーの部分はポッカリと穴が開いていて、ペインが凝縮されています。プロダクトには自信がありますし、私たち自身、PartnerPropを使いこなすことで、売り上げの大部分をパートナー経由で稼ぎ出しています。中長期的には、日本だけでなくアジアでNo.1のPRMにしていきたい。この8月にはプロダクトの英語対応も完了します。来年から海外展開を進めていきたいですね。

坂田:そのポテンシャルは十分にあると思っています。できるだけ時間を早送りできるように、支援できることは何でもやっていきます。日本で課題解決の実績を積んで、グローバルに大きく成長していきましょう。


坂田卓也◎デライト・ベンチャーズ パートナー。凸版印刷でCVCを立ち上げ、新事業創出を目的としたベンチャー投資やM&A業務に従事。スタートアップ25社と事業開発を推進。22年11月より現職。代表的な投資先はispace、ユニファなど。

井上拓海◎パートナープロップ代表取締役。1996年、神奈川県出身。法政大学経済学部卒業後、リクルートに入社。「Airペイ」「Airレジ」などのSaaS事業部でパートナービジネスの立ち上げなどに従事。23年5月にパートナープロップ創業。

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年10月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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