欧州

2024.09.24 13:00

ウクライナ軍が2年堅守してきた東部ブフレダルに遮断の危機 増援余力はあるのか?

第72機械化旅団は、T-64戦車やBMP-2歩兵戦闘車、米国製M-109榴弾砲などを保有し、まずまず装備の整った旅団と言える。とはいえ、どんなに装備の整った旅団であっても前線を永遠に保持することはできないし、2年近くというのは旅団が全体規模の休みなしに戦闘を続ける期間としてはあまりに長い。

同じ陸軍の第47独立機械化旅団に聞いてみればいい。第47機械化旅団は米国製M2ブラッドレー歩兵戦闘車の安定供給を受け、大隊の完全戦力を保ちながら(編集注:第47旅団は3個大隊に各30両のブラッドレーを配備している。米国はウクライナにブラッドレーを累計で300両以上供与しているが、ウクライナ軍の装備に関するルールにより、1個旅団に配備される数は最大100両ほどに制限される)、2023年6月からつい最近まで南部と東部でノンストップで戦い続けていた。だが、1年3カ月にわたる戦闘で疲弊した同旅団は、十分に装備の整った交替旅団が足りない状況にありながら、今月ついにローテーションで前線を離れた

第72機械化旅団は、一貫して兵力にまさる敵の大軍を相手に、前線の同じ町を2年近くも防衛し続けるという稀有な偉業を成し遂げてきた。その旅団がいま、交替とは言わないまでも増援を必要としている。

しかし、どの部隊が増援に駆けつけることができるだろうか。ウクライナ軍は東部と南部を防御するのと並行してクルスク州に対する越境攻撃を始めた結果、戦力がますます薄く引き伸ばされている。

ウクライナ陸軍は14個旅団の編成を進めているものの、現代的な車両が絶望的なまでに不足している。ボロディミル・ゼレンスキー大統領によると、現状ではわずか4個旅団分の車両しか確保できていない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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