不明瞭な境界
銀河の終端と終端の間の境界は通常、不明瞭だ。「今回の場合、銀河の星間物質と周辺物質(CGM)との間のかなり明確な境界線が見つかったようだ」と、ニールセンは指摘している。今回の画像を撮影できたのは、米ハワイ州ハワイ島のマウナケア山の非常に暗い夜空と、山頂にある口径10mのケック望遠鏡に設置された面分光装置KCWIのおかげだ。KCWIの利用により、様々な銀河の周辺にあるガスの観測と定量化が可能になると期待されている。「銀河系とアンドロメダの銀河周辺物質が、すでに重なり合い、相互作用している可能性はかなり高い」と、ニールセンは述べている。
銀河の周囲にあるガスの量によって、銀河が現在も新たに星を形成しているかどうかや、形成された星がどのように成長するかを判断できる。
アンドロメダとの衝突合体
2019年に発表された研究によると、過去数十億年間にすでに複数のより小型の銀河が、アンドロメダ銀河に飲み込まれているという。この研究では、アンドロメダ銀河にある球状星団77個が移動している方向と速度を測定し、球状星団がどこからやって来たかを明らかにした。銀河系とアンドロメダ銀河が衝突しても、恒星同士が衝突する可能性はほぼゼロだ。今から約40億年後には、アンドロメダが夜空に大きく輝く天体となり、太陽は燃料の水素が枯渇してしまう。赤色巨星へと膨張している過程にある太陽によって、地球は灼熱にさらされているか、飲み込まれているだろう。
(forbes.com 原文)