こうしたケースは確率は低いかも知れませんが、やらないよりもマシだし、確実に次に繋がっていくと信じてプロジェクトを進めた結果、2年目以降は、文能ゼミの主のプロジェクトとして、年間を通じて学生が中小企業にインターンシップに行き、中小企業の魅力を探究しています。(現在も継続実施中)
行政マンは価値を知ることから始めること
EGおおさかの研修でもよく「松尾さんだからできた」なんて言葉が聞かれますが、「そんなことはない。自分を俯瞰してみて、立ち位置や価値を知ることが大切」といつも答えてます。この大学とのインターンシッププログラムは、行政マンだからこそできたことであって、仲介役をする私に信頼がないとできないプログラムです。大学の教授から相談があったのも、「八尾市産業振興会議」の座長をしてもらっていたからであって、企業の課題を知ったもの、事業を通じてだったり、ヒアリング調査やアンケート調査などの分析データを所持している行政だったからです。
それをリソースや社会資本と認識し、自分が今の立ち位置でできることをモヤモヤしながらも、全ての情報やリソースをテーブルの上に出しては、引き出しにしまい......と課題に向き合っただけです。
また組織としては、市役所は「ゆりかごから墓場まで」と揶揄されるように、とにかく地域の全てに関わっている仕事といえます。広報一つにしても、教育委員会に筋を通してしっかり交渉できれば、市内の小学生、中学生に対してチラシを配布することだってできます。もちろん、役所内の調整は簡単なものではありませんが、逆にダメなこと以外は、しっかりロジックが通っていれば予算ゼロでも進めることができます。これを価値と捉えることができるかどうかだと感じています。