アンデルセンによれば、星間塵はナノからミクロン(十億分の1mから百万分の1m)サイズの粒子でできており、基本的に煙に含まれる煤のようなものだ。今回の論文では、塵の質量組成に寄与している主な元素として、酸素、鉄、ケイ素、マグネシウム、炭素、硫黄、アルミニウムを挙げている。
論文によると、星の内部で生成される金属(重元素、ヘリウムより重い元素)は、強力な恒星風や超新星爆発によって星間物質中に放出された後、次世代の恒星に取り込まれる。中性ガス中に相当量の金属が含まれる一方、金属の大部分は塵粒子に取り込まれているという。
また、論文によれば、塵は恒星の形成過程にも深く関わっている。塵は、星形成にとって重要な直接的冷却剤であり、水素分子を生成するための触媒として作用するからだ。
超新星による再供給
アンデルセンによると、超新星で最終的に中性子星やブラックホールになるのは、元の恒星のほんの一部分にすぎない。超新星の物質の大半は、単純に再び星間物質に組み入れられ、次世代の星の材料を供給することになるという。だが、どのような仕組みで、非常に大量の塵が、非常に迅速に形成されるのだろうか。
アンデルセンによると、宇宙空間は、塵粒子として存在するのには最悪の場所だ。塵は結晶構造をわずかに持っているため、人体と同様に、高エネルギー粒子に対して脆弱だからだ。塵粒子を破壊する可能性のあるものは非常にたくさんあるが、それでも塵が観測されるという事実は、非常に効率的で持続的な形成メカニズムが存在するに違いないことを意味する。さもなければ塵は存在しないはずだとアンデルセンは指摘する。