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2024.09.20 17:45

豪5兆円企業Canvaは、なぜ社員の「ランチタイム」を大切にするのか

無料の昼食が食べられるシドニー本社の屋上テラス。屋上からの眺めと賑やかな人声、開放的な雰囲気でパーティにいるような気分になるが、食事を終えた人は波が引くようにオフィスに戻っていく。

社員のつながりを育む場としては、課外活動もあげられる。Canvaには、バスケットボール部からコーヒー愛好会まで、社員が自主的に立ち上げたサークルがおよそ420もある。会社から補助が出るが、活動内容は基本的に問われない。
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「社内で共通の趣味をもつ人同士がつながることで、新たなコラボレーションが生まれることも。サークル活動はそれを期待した取り組みのひとつなんです」

一方で、社内イベントはオンラインと両方で行うことにしている。リモートワーカーだけでなく、出社組でも対面イベントを苦手とする社員がいるからだ。

こうした配慮は、「バディ」制度から生まれている。Canvaでは社員一人ひとりに、サポート役としてバディ社員がつく。新しく入社した社員に企業理念を共有するのも、バディの役割だ。性的マイノリティなどの社会的少数者には、それぞれの互助グループがサポートを担う。
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こまやかなケアは、新人に対してだけではない。すでに職場環境に慣れ、活躍している中堅社員であっても、迷いに直面することはある。そうした状況で孤立させないために、社内外のコーチングプログラムやコーチを導入し、キャリア構築やリスキリングを支援している。

本社の執務フロアを悠然と闊歩するのは、社員の飼い犬。ペットの同伴自由なので、オフィスに愛犬を連れてくる人も少なくないとか。

本社の執務フロアを悠然と闊歩するのは、社員の飼い犬。ペットの同伴自由なので、オフィスに愛犬を連れてくる人も少なくないとか。

Canvaが社員のウェルビーイングを重視するのは、それが同社の価値観に直結するからだ。「Be a Force for Good(世の中をより良くする)」は、Canvaのバリューの中核を成し、社員が行動する際の指針となる考え方でもある。その呼びかけに反応し、新しい挑戦がしたい、自分の強みを磨きたい、世の中の役に立ちたいと願う人が、共に働く仲間となる。

自身も共鳴したひとりだというコルゲートは、自信たっぷりにこう述べた。
 
「今のままでいたい人には合わない会社かもしれません。でも、成長したいなら最高の職場です!」

社内を案内するコミュニケーションパートナー(広報担当)のマディソン・コルゲート。2年半ほど前に他企業から転職し、Canvaに加わった。成長企業で働き、会社とともに自分が成長するのが楽しいと語る。

社内を案内するコミュニケーションパートナー(広報担当)のマディソン・コルゲート。2年半ほど前に他企業から転職し、Canvaに加わった。成長企業で働き、会社とともに自分が成長するのが楽しいと語る。

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文=平林純子 写真=佐々木 康

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