ティルタナタはその後、高校時代の友人のジェームス・プラナントと、店舗拡大がより容易なテイクアウト専門のコーヒーチェーンの立ち上げを話し合った。そして2017年に、彼はプラナントやシンシア・チャエルニッサらと共にコピ・クナンガンの運営会社のブミ・ベルカ・ボガを設立した。同社は、2019年にフォーブスの『30アンダー30』に選出されたプラナントが最高事業開発責任者を務め、チャエルニッサが最高マーケティング責任者を務めている。
ジェイ・Zやセリーナ・ウィリアムズも出資
コピ・クナンガンは、創業から2021年までの間に累計2億3000万ドル(約336億円)以上をセコイアキャピタルのインド及び東南アジア部門であるPeak XV Partnersやジェイ・Zが設立した投資会社のArrive、セリーナ・ウィリアムズが設立したSerena Ventures、シンガポールのGIC、李嘉誠のHorizons Ventures、エドゥアルド・サベリンのB Capitalなどから調達した。そして、2021年12月に実施した直近のラウンドで、東南アジアで初めての食品・飲料分野のユニコーン企業となった。Peak XV Partnersのマネージング・ディレクターを務めるロヒト・アガルワルは、2019年初頭にティルタナタと初めて面談した際、彼がインドネシアの人々を満足させるコーヒーについて優れた直感を持っていると感じたという。「エドは、コーヒーを4杯持って現れた。スライドの説明からから始めるのではなく、創業者がコーヒーを持参するという、非常に珍しいミーティングだった。彼は、“まずこのコーヒーを飲みましょう”と言ったのだ」とアガルワルは当時を振り返る。
アガルワルは、コピ・クナンガンが2028年までに店舗数を3倍に増やし、IPOを果たせると確信していると語った。
ティルタナタに成功の秘訣を尋ねると、彼は次のように答えた。「大切なのは度胸だと思う。我々は何度も危機に見舞われ、環境に適応する必要があった。それは決して容易なことではなかったが、正しい道を突き進み、忍耐強くやり抜けば、最後には栄光が待っていると思う」
(forbes.com 原文)