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2024.08.29 12:30

元パランティア幹部が開発した「犯罪捜査のための検索エンジン」

Shutterstock.com

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元パランティアの幹部が設立したPeregrine Technologies(ペレグリン・テクノロジー)は、警官によるテクノロジーの濫用を抑制しつつ、米国の地方警察が監視データにアクセスする能力を拡大させることを目指している。

同社の創業者のニック・ヌーンは、データ解析の専門家として、2021年の中頃にサンフランシスコの法廷で殺人事件に関する証言を行った。ペレグリンのソフトウェアは、携帯電話の位置情報や車両のナンバープレートのデータなどを、警察の捜査記録や監視カメラの映像と結びつけ、警察が容疑者を特定するのを助けている。

ヌーンと共同創業者のベン・ルドルフは、カリフォルニア州の警察との取り組みを通じて、犯罪捜査のためのGoogle検索のようなシステムを開発した。ペレグリンのウェブベースのアプリに個人の名前や住所を入力すると、裁判記録や逮捕報告書、警察の調書、ボディカムの映像記録などを迅速に検索できる。このテクノロジーは、古いシステムに散在していた捜査データを、ウェブブラウザから簡単に検索可能にした。

この裁判のわずか1年前にヌーンは、ピーター・ティールが設立したデータ解析企業のパランティアの幹部職を辞めたばかりだった。彼は、同社に在籍中に中東で米軍とともに数年間働き、シリアでISISのメンバーを特定するための情報データセットを使用していた。

彼はその後、元国連難民高等弁務官事務所の技術者であるルドルフと組み、ISISメンバーを見つけるために使用した技術を地方警察に導入し、監視フィードやデータベースを統合して迅速で効果的な警察活動を可能にするというアイデアでペレグリンを設立した。

警察署長たちは、ヌーンとルドルフが警察の内部に深く入り込み、彼らのニーズを理解しようとする姿勢に感銘を受けた。「部外者である私たちが警察コミュニティの信頼を勝ち得た理由の1つは、シリコンバレーの象牙の塔にこもっていなかったことだ」と35歳のヌーンは今年5月のフォーブスのインタビューで語った。

現在までにペレグリンは、アトランタからロサンゼルスまでの米国の広範な警察や公共安全機関と57の契約を締結している。同社の収益は、2023年に300万ドルから1000万ドルに増加し、ヌーンは今年中にさらにその3倍の3000万ドル(約43億円)に達すると予想している。この成長を支えるのは、元パランティアのCFOのコリン・アンダーソンらが設立したFriends & Family Capitalやティールが設立したFounders Fundなどから調達した6000万ドルの資金だ。

ペレグリンの評価額は、直近の3000万ドルの資金調達後に3億6000万ドルに達しており、同社は、フォーブスの2024年の「ネクスト・ビリオンダラー・スタートアップ」リストに名を連ねた。このリストはユニコーン企業になる可能性が高いとされる25社を紹介している。

「リアルタイム監視」への懸念

資金が乏しい地方警察は多くの場合、大規模な機関が採用するようなテクノロジーを利用できない。監視業界で「リアルタイム犯罪センター(RTCC)」として知られるハイテク監視ハブは、高価なハードウェアとソフトウェアを必要とし、通常は大規模な機関のためのものとなっている。しかし、ペレグリンのテクノロジーは、RTCCをより小規模な機関にも利用しやすくしている。
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編集=上田裕資

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