では、音読の宿題にはどんな効果があるのか。効果を実感した保護者は5割ちかくにのぼっている。肯定的なコメントにはこうある。
「文章の読解力や文章を書く力がある、と先生からも言われた」
「音読の宿題が出る以前よりも語彙力とコミュニケーション能力がスムーズになった気がします」
「高学年になるにつれ文の量がかなり増えたが、かならず最後まで読み切り、真面目に取り組む姿勢を感じる。読めない漢字や意味がわからないときに一緒に調べたり、教えることで親子のコミュニケーションを取ることができる」
何にでも言えることだが、保護者との関わりが子どもの関心に影響する。日々の生活に追われるなかでは、算数や書き取りなど即座に答え合わせができない音読のプライオリティーは低いのかもしれない。だが、保護者の6割は音読の意味を理解している。それに反して、音読の重要性を感じている子どもは3割弱。学校の宿題が好きな子どもなんていない。だから、有意義だと理解した宿題には、親が積極的に取り組むことでよい効果が得られる。この調査はそう示唆している。
文章を読む力、読解力はすべてにおいて重要なスキルとなる。間違えずに読むか、滑らかに読むかという技術的な問題よりも、いちばん大切なのは保護者と語り合う時間であり、それをとおして読書が好きになることだろう。「忙しい日々で大変なときもありますが、だからこそコミュニケーションの時間にもなりよいと思います」という意見もあった。子どもの話を聞いて、内容について楽しく話し合うことができれば、子どもはいろいろ語り出す。そうして興味を深め、子どもは本好きになるはずだ。
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