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欧州

2024.09.02 09:00

ウクライナ軍、クルスク州で戦車7両を鹵獲し歩兵車両10両奪われる 混乱の3週間で

こうした事情から、ロシア側が鹵獲したウクライナ軍の車両はすべて歩兵戦闘車か装甲兵員輸送車、強襲用の装甲トラックとなっている。内訳はBMP歩兵戦闘車2両、BTR-4装甲兵員輸送車2両、ストライカー装輪装甲車2両、トラック4両だ。ウクライナ側が鹵獲した車両はより重量級の組み合わせで、T-72戦車、T-80戦車、T-90戦車計7両と輸送用の非装甲トラック4両となっている。

ウクライナ軍の侵攻部隊の主力を担っている8個かそこらのウクライナ軍旅団のうち、第82独立空中強襲旅団と第92独立空中強襲旅団が最も多く車両を失っているようだ。これらの旅団が戦場で精力的に動き回っているのを考えれば当然だろう。

ロシア側では第4戦車師団が最も多く車両を奪われたとみられる。うち3両のT-80は、いずれウクライナ軍で再就役することになるのがほぼ確実だ。

クルスク州の戦線が安定化してくるにつれて、当然のことながら鹵獲数も減ってきている。ウクライナ側は侵攻後の2週間かそこらでクルスク州の1100平方km近くを一気に制圧したが、先週1週間に制圧したのは100平方kmほどにとどまっている。

ウクライナがクルスク侵攻で何を達成しようとしているのかはいまだによくわからない。ウクライナが引き続き防御よりも攻撃を優先するなか、クルスク州で得ているものがポクロウシク方面で失いつつあるものと引き合うのかも、依然としてはっきりしない。

クルスク侵攻の戦略的な意味が判然としない一方で、物的損害の面では五分五分なのは確かだ。鹵獲数がほぼ同じなほか、重装備の損失数も8月27日時点でウクライナ側が87、ロシア側が59とそこまで大きな偏りは生じていない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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