欧州

2024.08.30 14:00

ウクライナのF-16戦闘機に早くも損失 「墜落」でパイロットも死亡、空軍に痛手

ウクライナ空軍のF-16戦闘機。2024年8月4日、ウクライナで(photowalking / Shutterstock.com)

ウクライナ空軍のF-16戦闘機。2024年8月4日、ウクライナで(photowalking / Shutterstock.com)

ウクライナ空軍は、デンマークから供与されたばかりのF-16戦闘機の1機を、26日にあったF-16戦闘機による最初とみられる迎撃戦闘の際に失った。悲劇的なことにパイロットのオレクシー・メシ中佐も死亡した。

このF-16は撃墜されたのではなく、何らかの事故で墜落したらしい。ウクライナ軍参謀本部の発表によると、当該機は迎撃戦闘のため「次の目標に接近していた間に交信が途絶え、のちに墜落が判明した」という。ウクライナ国防省は墜落原因を究明するため特別委員会を設置した。

デンマークのほかベルギー、オランダ、ノルウェーから少なくとも計85機が供与されることになっているF-16の第1陣は、1年以上にわたる準備を経て最近ウクライナに到着したばかりだった。26日に出撃し、ドローン(無人機)、巡航ミサイル、弾道ミサイル計230機・発を用いたロシアによる過去最大規模の空襲からウクライナの都市を守るのに貢献した。

ウクライナ軍参謀本部は「空中戦闘中、F-16は有効性の高さを証明し、搭載兵器で敵の巡航ミサイル4発を撃ち落とした」と述べている。1980年代製の機体を改修したウクライナ空軍のF-16AM/BMは通常、赤外線誘導のAIM-9L/M短距離空対空ミサイル2発とレーダー誘導のAIM-120B中距離空対空ミサイル2発を搭載する。

F-16が撃墜したミサイル4発を含め、ウクライナ側はこの日、ロシア側から発射されたドローンとミサイルを計201機・発も撃墜した。しかし、一部はウクライナの防空網を突き抜け、少なくとも10人が死亡、電力インフラなどに大きな被害が出た。

パイロットのメシは、飛来してきたミサイルを迎撃するための機動を行っていた際に、地上のレーダー要員との交信を絶ったもようだ。その後、墜落地点が突き止められ、メシの死亡が確認されたとみられる。ウクライナ空軍は「悲劇的にも彼は自らの命を犠牲にして、ロシアのミサイルから無数のウクライナ国民を救った」とその死を悼んだ
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