食&酒

2024.08.22 12:00

人気ナンバー1の果物バナナが直面する「不透明」な未来

FAOが「史上最も攻撃的かつ破壊的な真菌」と呼ぶキャベンディッシュ種を宿主とする種(レース)のフサリウム属の真菌「TR4(tropical race 4)」は、すでに21の生産国で確認されている。

バナナと生産者を守るために

英王立植物園キュー・ガーデンズとその運営する「Millennial Seed Bank(ミレニアル・シード・バンク)」は、バナナをはじめとする重要な食用作物を絶滅から守るため、国際非営利組織のCrop Trust(クロップ・トラスト)などと協力し、野生種を集めて保護するプロジェクトを推進している。

キャベンディッシュ種が病気になった場合、新たな品種を育てるために欠かせない遺伝物質を保護することも、プロジェクトの主な目的の1つだ。環境や地域社会の保護、農園の収入増加を目指し、独自の評価基準を設けて認証を行っている Rainforest AllianceFairtradeなどの非営利団体もある。

社会や環境に対して責任ある生産と販売の実現に向けての取り組みは、必要とされるほどの進展をみせていない。また、気候変動は今後も、その実現をより困難にしていくだろう。各地のバナナ農園はさらに、こうした問題に対する適応力を試されることになる。

それ1つで業界全体が直面する問題をすべて解決し得る策がないことは、明らかだ。確実なバナナの存続を望むのであれば、私たちはバナナを栽培する環境と生産する農園に対し、これまで以上に敬意を払う必要があるだろう。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

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