健康

2024.08.27 17:45

医療ビッグデータでわかる熱中症の現実的な危険

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連日の猛暑で熱中症に注意するよう各方面から警告が発せられているが、自分は大丈夫だと思っていないだろうか。熱中症患者は実際に急増している。医療データの分析からもそれが明らかになった。他人事だと思わず、十分に警戒しよう。

ソフトウェア開発やビッグデータ分析などを行う日本システム技術は、同社が保有する約900万人ぶんのレセプトデータ(診療報酬明細)のうち、2020年1月から2023年12月までに診療を受けた人のデータを使って、国際疾病分類第10版の「熱及び光線その他の作用」に該当するものを解析した(病名に「疑い」と記されたものは除く)。

それによると、2023年の月別熱中症患者数は、前年に比べて7月と8月が2.5倍以上、9月が2倍以上の増加率と示された。原因は気温の上昇と思われる。東京の7月の平均気温は、2023年の同時期と比較してプラス1.3度、8月はプラス1.7度となっている。これはあくまで平均。観測史上はじめて40度を記録した、なんていうニュースもよく聞かれるようになったから、たった2度弱と侮らないほうがいい。

また熱中症の患者数は、10代と50代に多かった。学生は外での活動が多いためだと日本システム技術は推察している。身体が未成熟な子どもたちは重篤化する恐れもあり、周囲の大人が気を配る必要があるとのことだ。50代は、いわゆる「グランドジェネレーション」と呼ばれる活動的なシニア層も含まれる。元気だが体力が低下し始める時期でもあるため、無理をしやすいのかもしれない。

困ったことに熱中症は、一度発症を経験した人は再び発症しやすくなると言われている。2023年の熱中症患者のうち、過去に発症したことがある人は1割を超えた。年代別では高齢になるほど、過去発症割合が高くなっているので、中高年はとくに注意が必要だ。

こうしてデータで示されると、熱中症の現実味が伝わってくる。とにかく、油断は禁物。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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