食&酒

2024.08.17 13:00

セラピストが創業したノンアルワイン会社、新たな飲酒文化の形成に挑戦

Oddbirdの欧州事業の最高執行責任者(COO)で、米国事業の最高経営責任者(CEO)も兼任するモアの息子のメフメット・ギュルビュザーが説明するこの方法は、同社のワインが複雑さと真正性を保っていることを強調している。

「アルコールを除去する工程はパズルのごく一部」とメフメットはいう。「マジックのほとんどは醸造の過程で起こる。プロセスそのものよりも、そのプロセスに何を用いるかが結果を左右する」

最高品質のブドウを厳選し、醸造の工程を厳格に管理することで、すべてのボトルに産地の特質が反映され、アルコール抜きの本物のワインの味わいを提供できるとメフメットはいう。

現在、Oddbirdのノンアルワインには、スパークリング・ロゼ、白ブドウ100%で造られたスパークリング、メルローとピノ・ノワールをブレンドした赤ワインがある。

同社によると、現時点で事業は前年同期比350%となっており、飲酒習慣の変化やノンアル商品に対する需要の高まりといった消費者の動向を反映している。同社の成功は健康とウェルネスに対する意識の高まりと、ブランドの質の高い職人技へのこだわりによるものだとメフメットは考えている。「当社は時間や心の健康、人間関係を重視している」と話す。

メフメットは、Oddbirdのワインの販売で飲酒文化に良い変化をもたらし、アルコールの悪影響を減らすことに貢献できると信じている。「当社がワインを売るごとに、飲酒文化にポジティブな変化が生まれ、ひいてはアルコールの悪影響を受ける子どもたちが減ると確信している」とメフメットはいう。

今後はノンアルのオレンジワインを発売するなど商品ラインナップを拡大し、志を同じくするビジネスパートナーと協力して責任ある消費という使命をさらに推進していく予定だ。メフメットは、すべての人、特に子どもたちのために安全な環境を作ることに社会が今以上に責任を負う未来を思い描いている。

「当社の目標は、アルコールの悪影響を受ける子どもを皆無にすることだ」とメフメットは話した。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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