ウクライナ空軍で就役したのは、F-16の就役中近代化(MLU)型でデンマーク軍が保有していたF-16AM/BM。このモデルに期待される改良はすべて実施されているほか、ロシアによる全面戦争が2年6カ月目に入るなか、疲弊したウクライナ空軍にとって非常に役立ちそうな追加装備も搭載されている。
ウクライナ大統領府は4日、ウクライナのカラーリングを施したF-16の初の公式写真・映像を公開した。赤外線誘導のAIM-9サイドワインダー空対空ミサイルやレーダー誘導のAIM-120 AMRAAM(アムラーム)空対空ミサイルなどを搭載したF-16をお披露目し、それを通じてこの超音速機がウクライナの防空面で果たすことになる役割を示した。
Ukraine’s President Zelenskyy officially introduces the Ukrainian F-16 to the public. The best part of it is that they are loaded with AIM-120 AMRAAM and AIM-9 Sidewinder missiles.
The real air war in Ukraine begins, now.
Source: Office of the Ukrainian President pic.twitter.com/o4XuzhGp9s — (((Tendar))) (@Tendar) August 4, 2024
左の主翼に見える自己防御システムは、「PIDS+」(パイロン一体型妨害手段投射システム、ミサイル警戒装置付き)か「ECIPS+」(パイロン一体型電子戦システム、ミサイル警戒装置付き)とみられる。イスラエルのエルビット・システムズ社とそのパートナー、デンマークのテルマ社が共同生産しているPIDS+とECIPS+は数年前から、欧州諸国が運用するF-16に装備され始めた。
PIDS+は、レーダーや赤外線で誘導されるミサイルを欺くチャフ(妨害用の金属片)やフレアを投射し、AN/AAR-60ミサイル警戒装置も付属する。ECIPS+は、チャフやフレアによるアクティブ防護を補完するパッシブ防護として、地上などのレーダーを無効化するAN/ALQ-162ジャマー(電波妨害装置)などを備える。こちらもAN/AAR-60が付属している。