欧州

2024.08.06 09:30

F-16戦闘機がついにウクライナで実戦配備 最新の防御システムも搭載

ウクライナが初めて受領したF-16戦闘機のデモ飛行の様子。2024年8月4日、ウクライナで撮影(Vitalii Nosach/Global Images Ukraine via Getty Images)

主翼の片方にPIDS+、もう片方にECIPS+を付けることもでき、併用すればF-16はさまざまな敵ミサイルに対する広範な防御ができる。ウクライナ空軍は2022年2月の戦争拡大前に125機前後保有していた作戦機のうち、すでに90機あまりを失っており、これらの自己防御システムは喫緊のニーズを満たすものだ。
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ウクライナ空軍はこれまで、長期保管していた古い機材を修復したり、支援諸国から旧ソ連製の機材を提供されたりして損失分を補ってきた。F-16はデンマークとオランダのほか、ノルウェー、ベルギーから計85機を取得できる見込みだが、ウクライナ空軍はできるだけ失わないようにしたいと思っているはずだ。これ以上の余剰のF-16は支援諸国にももうあまり残っていない。

ウクライナ空軍としては、F-16を失って代替機を探すことになるよりも、現有のF-16を保持していくほうが望ましい。だが、いずれ一部のF-16をロシア側に撃墜されるのは避けられないだろうし、もしかすると多数撃墜されることになるかもしれない。それでもPIDS+とECIPS+があれば、損失を抑えたりパイロットの命を救ったりするのに役立つと考えられる。

ウクライナ空軍がPIDS+とECIPS+にどのくらい助けられるかは、F-16をどのように使うか次第だろう。主にウクライナ領内の奥深くで防空任務を担わせるのなら、F-16はロシア軍の射程が最長クラスのミサイルを迎撃することくらいしかできないかもしれない。一方、前線で対地攻撃任務をどんどん行わせるのであれば、F-16ははるかに激しい敵火力にさらされるだろう。
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とはいえ、最も攻撃を受けやすい状態に置かれても、F-16は古い旧ソ連製のウクライナ軍機よりは守られていることになる。後者はジャマーを搭載していないものがほとんどだからだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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