恐竜化石を個人が商品として売買することについては、約30年前のスーの競売以来、批判の声が上がっている。これまで高額で売却された化石はすべて米国内で発見されたものだ。米国では、公有地で発見された化石は政府に帰属するが、私有地で発見された化石なら合法的に売買できる。こうした民間取引が増えれば、一般の人々が発掘された化石を目にする機会が制限されるのは必定で、ここ数年の競売によって科学の進歩が妨げられているとの指摘もある。
一方、スミソニアン博物館によれば、競売で恐竜化石に高値が付くことで、所有地での発掘調査を許可する地主が増加し、ひいては古生物学の分野を進路に選ぶ人が増えるかもしれないとの見方もある。
2021年にビッグ・ジョンが匿名の収集家に売却された際は批判を浴びたが、商業古生物学者のウォルター・スタインはNBCに対し、それまで何年も米国内の博物館に買い取りを打診したが不首尾に終わったこと、競売で化石を落札した現在の所有者は、研究に利用できるようにすると約束したことを明かした。一部の古生物学者は、競売の成功によって「米西部の恐竜化石を商業的に活用しようという機運」が生まれるだろうと語っている。
(forbes.com 原文)