健康

2024.07.10 17:45

日本人が増える慢性ビタミンD不足、紫外線対策も原因か

Getty image

2023年、東京慈恵会医科大学は「98パーセントの日本人がビタミンD不足に該当」と発表したとおり、日本人は慢性的なビタミンD不足と言われている。骨を強くして、免疫力を高め、心の健康も保ってくれるビタミンDは、紫外線を浴びることで体内で生成される。梅雨の時期に心身の不調を訴える人が多いのも、日にあたる機会が減るためだと思われる。さらに近年では、ビタミンD不足に拍車をかける問題が浮上している。日やけ止めだ。

化学メーカー日本ゼオンが、20歳から69歳の男女993人を対象に紫外線対策と健康状態に関する調査を行ったところ、梅雨の時期に体調不良を感じる人は54パーセントにのぼった。症状でもっとも多いのが、「やる気の低下」と「気分の落ち込み」で、その他、頭が重い、だるい、疲れやすいなどと続いている。

ビタミンDに詳しい日本機能性医学研究所所長の斎藤糧三医師は、近年、感染症の罹患や骨折が増えていると指摘する。調査では、風邪や感染症にかかる頻度は、中央値が1年に1回なのに対して、5人に1人は3カ月に1回と答えた。これらはビタミンD不足によるものと疑われる。その原因のひとつに、過剰な紫外線対策があった。

全体の傾向として、紫外線対策をしている人のほうが、してない人よりも紫外線の健康効果について知っている。また一定程度の紫外線を浴びるのは健康にいいと考えている人のほうが、紫外線は健康に悪いと考える人よりも圧倒的に多い。紫外線がビタミンDを生成すること、現代人はビタミンDが不足していることを知っているのは、全体のほぼ半数にのぼる。

それなのに、紫外線対策がビタミンDの生成を抑制することを意識している人は少ない。たとえば、日やけ止めを使っている人でそのことを知ってい人は3割に満たなかった。

これだけ知識を持ちながら、日本では紫外線を遠ざける人が多い。とくに若い人ほど、小さいころから紫外線対策を始めている。こうした過剰な紫外線対策が、ビタミンD不足によるさまざまな悪影響を助長すると斉藤氏は懸念している。全身に日やけ止めを塗った状態でいくら日光を浴びても、ビタミンDは生成されない。適度に紫外線を浴びることが必要だ。

国立環境研究所地球システム領域研究員の中島英彰氏は、日やけが気になる人は、顔と首にだけに日やけ止めを塗り、手足は一時的に露出した状態で、「10〜14時間のうち15〜20分程度の日光浴」を推奨している。梅雨の時期はサプリでビタミンDを補うこともお勧めだという。さらに、日光浴アプリなどの活用も提唱している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事