3. 自己愛は、「関係性の力学」のバランスをとる
「まず自分を愛すること」は、対等なパートナーとして恋愛関係に臨むための鍵となる。基礎となるこの自己愛は、不均衡につながる支配や服従という不健全なパターンを避け、パートナー双方が平等に貢献しあえるような力学を生み出す。自己愛は、本質的に自尊心と結びついている。こうした自尊心は、パートナーに対して、自分が尊重されていると感じるか(あるいは感じないか)について教えることにつながる。自分を高く評価し続け、自分がどのように扱われることを期待しているかについて明確な基準を設けるとき、あなたは、「自分が相手から受けたい対応」の模範を示している。したがって、自分自身を愛することによってあなたは、関係の力学におけるバランスを、自然に促進している。そうしたバランスのとれた関係では、各人の貢献とニーズが平等な価値を持っているはずだ。
自分を愛することは、自立を重んじ、共依存を防ぎ、より健全な恋愛関係を促進することでもある。女性が、パートナーに過剰に依存し、自己責任や自己啓発の機会を損なってしまう場合が多いことを示す研究は数多くある。
個々の自立性を受け入れることで、パートナー双方が、人生を共有しながら、個性を維持することができる。適切な距離を保ちつつ互いの成長をサポートし合うことで、自由と尊敬の力学が生まれる。それぞれの「自分らしさ」を失うことなく、互いの願いが活気づくような、バランスの取れた関係が育まれるはずだ。
最後に、関係構築に備えるための3つのヒントを紹介しよう。
・ミラー・コミュニケーションを練習する:
返事をする前に、相手が言ったことを反復して、自分の理解が正しいか確認しよう。このテクニックは、アクティブリスニング(傾聴)を促し、相手の視点を尊重することを示し、つながりを深める。
・定期的な振り返りを行う:
関係の力学、境界線、個々のニーズについて話し合うために、定期的なミーティングを計画・実施しよう。こうした積極的なアプローチにより、パートナーの双方が、関係性の在り方について意見を述べられるようになり、相互尊重と平等が促進される。
・違いを認め合う:
お互いのユニークな資質や考え方を受け入れ、認め合おう。違いがあることで関係性が豊かになり、関係性の強化につながることを認識しよう。こうした考え方は、パートナー双方が、ありのままの自分が評価され、価値を認められていると感じられる環境を育てる。
要するに、交際に入る前にまず自分自身を愛することは、単に有益であるだけではない。自分以外の誰かを、十分に、かつ健全に愛することができるようになるためには不可欠なことなのだ。
(forbes.com 原文)