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2024.07.02 13:30

AIであらゆる対話業務を効率化へ

橋本:ちょうど僕らがデューデリジェンスをしていたときに生成AIのトレンドがドーンと来て、「奥西さんが言っていたのは、こういうことなんだ」と実感させられましたよ。創業当初からこれを見抜いて準備してきたというのは先見の明がある。それから、奥西さんは「思想家」ですよね。一つひとつの発言や行動にしっかりとした考えをもっている。なんとなくサラッと質問したことでも、すごく解像度の高い答えが返ってきて驚いたことが何度もありました。

奥西:何かが起きたときに、その時点から考え始めても遅いので、先回りしていろんな未来を考えるようにしています。そのためにはヒアリングもたくさんしますし、自分たちのなかで仮説をもって準備してというのを意識的にやっています。特に自分の意思決定については、すべて明確に説明できますね。そのほうが会社にナレッジがたまるし、社員全員の納得感も高まりますから。

橋本:初めての起業で創業数年なのに、まるでシリアルアントレプレナーみたいですよね。事業の進捗も順調で心配することがありません。

奥西:おかげさまでARR(年間経常収益)も5億円以上に伸びていて、T2D3(ARRを3倍、3倍、2倍、2倍、2倍と毎年伸ばすSaaSの理想的な成長曲線)以上の速度で成長しています。電話の自動応答だけでなく、AI音声対話にインターフェースをどんどん広げていきたいですし、音声を介するすべての業務のAI活用を進めていきたい。

橋本:あらゆるコミュニケーションの裏側にIVRyが実装されているという世界がつくれるのではないかとワクワクしています。そのお手伝いをできることが楽しみです。


はしもと・ゆうた◎三菱地所 新事業創造部 主事。早稲田大学卒。読売新聞、PwCコンサルティング、京浜急行電鉄を経て2021年より現職。CVC「BRICKS FUND TOKYO」を立ち上げるなど新事業創出と企業変革を推進。(写真左)

おくにし・りょうが◎IVRy代表取締役/CEO。2015年、同志社大学大学院理工学研究科情報工学専攻(博士課程・前期)修了後、リクルートホールディングスに入社。新規事業の立ち上げなどに従事。2019年3月IVRy創業。(同右)

文=眞鍋 武 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年7月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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