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2024.06.23 17:00

まるで悪夢 生成AIが生み出すミーム動画が人気

DIA TV / Shutterstock.com

米SFテレビシリーズ『スタートレック』でパトリック・スチュワート演じるピカード艦長が、いら立ちのあまり顔を手のひらで覆うシーンを切り取った人気リアクションGIFのAI生成版は、オリジナルとは全く異なる表情を見せる。

ハルシネーションの中でも特に興味深い副作用といえるのが、実在しない人物を創り出すことだ。たとえば、2014年のアカデミー賞で話題を呼んだエレン・デジェネレスの自撮り写真を生成AIで動画に変換すると、ズームアウトした際に右端にサングラスをかけた見知らぬ人物が出現する。この無名のセレブはAIが発明した存在で、自分がその場にいることにやや驚いているようにも見える。

ビートルズのアルバム『アビーロード』の有名なカバー写真は、動画変換すると4人の後ろをついて歩く「5番目のメンバー」が生成される。

なお、おもしろいことに、AIモデルがビートルズの5番目のメンバーを生成したのはこれが初めてではない。

一連の不気味な動画はAI愛好家たちには好評だったようだが、そのグロテスクさを嘲笑し、生成AIが驚くほど大量の水と電力を消費しながら制作者の意図しない結果を生み出し続けている点を批判する声もある。
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AIを使ったミーム改変ブームは、パロディ動画にも影響を与えた。YouTubeとTikTokで活動する動画クリエイターのSonny“Yunglimabean”Otienoは、AI生成動画の特徴である不気味な動きを再現した動画を制作している。

プロの映画制作チームが魅力的なワンシーンを構想し、演出し、撮影することがいかに難しいかを考えれば、生成AIが人間の手掛けた作品に真っ向から対抗できる動画を作り出すことはなさそうに思える。

AIには、文脈や感情、ニュアンス、遠近法を理解する能力がない。一連の動画のいずれかに芸術的な完全性があるとすれば、それは身体の変容や破壊に伴う恐怖を描くボディ・ホラーの領域に入るのではないだろうか。
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forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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