OpenAIの動画生成AI「Sora」でアーティストが生み出したシュールな作品

Camilo Concha / Shutterstock.com

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OpenAIがテキストから動画生成を行うツールSora(ソラ)を発表してから1カ月以上が経過した。まだ一般アクセスは提供されていないが、選ばれたアーティスト、デザイナー、映画製作者のグループが、それを試用してきた。そしてついに米国時間3月25日にOpenAIは彼らの作品をお披露目した。

「Soraがリアルなものを生成する能力はすばらしいのですが、それ以上に完全に超現実的(シュール)なものを作り出せる能力にわくわくします」と語るのは、Soraを使って「Air Head」(エア・ヘッド、空気頭)という短編映画を製作したトロントに拠点を置くマルチメディア制作会社Shy Kids(シャイキッズ)だ。このビデオには、頭が黄色い風船になった男性が登場するが、超現実的という言葉がぴったりだ。

「私は文字どおり熱い空気で満たされているんです」と風船頭の男はいう。

そして風船頭の男は、解剖学的な異常とともに生きる喜びや落とし穴を語っていく。風の強い日には、頭が肩から飛んでいってしまうし、植物店のサボテンコーナーを歩くのは緊張する体験だ。しかし彼はまた「私たちは皆、ピンで突かれるだけでしぼんでしまうのだ」ということを強く意識して生きており、そのことに感謝しているのだ。

OpenAIが2月中旬に初めて公開したこの新しい生成AIツールは、1つのテキストプロンプトから最大1分間の動画を生成できる。Soraはまだ製品として利用できるようになっていないが、OpenAIは現在、このツールの能力、限界、リスクを評価するために取り組んでいるという。

こうしたShy KidsやOpenAI初のアーティスト・イン・レジデンスのアレクサンダー・レーベンを含む初期テスターたちの動画は、OpenAIによる評価活動に役立つだろうとOpenAIはブログ投稿で述べている。OpenAIは、Soraをテストしているビジュアルアーティスト、デザイナー、クリエイティブディレクター、映画製作者の正確な人数や、月曜日に取り上げた動画の制作に影響を与えたパラメータについては明らかにしなかった。
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翻訳=酒匂寛

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