高度で安全なクリエーションを支援するアドビの生成AI
Adobe Fireflyは発表から1年の間に、テキストから画像を生成したり、テキストにスタイルやテクスチャをデザインとして加える機能などを公開してきた。テキストプロンプトは日本語を含む100以上の言語に対応する。またAIによる画像生成にはアドビが運営・管理するフォトストックサービスのAdobe Stockに集められた画像や、一般に公開されているライセンスコンテンツ、著作権が失効しているパブリックドメインコンテンツでトレーニングされており、安全な商用利用ができることも特徴だ。反対にAdobe Fireflyの機能を使って生成・編集したコンテンツには、制作の過程で生成AIが使われたことを明らかにするためのコンテンツクレデンシャルがデフォルトで付与される。
現在Adobe Fireflyはブラウザ上で無料で試せるほか、Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe ExpressなどのAdobe Creative Cloudのクリエイティブツールに組み込まれるかたちでユーザーに提供されている。
Adobe Fireflyが立体コンテンツ制作にも広がる
米アドビは3月18日、「次の一手」として同社のデジタル立体コンテンツ制作ツール「Adobe Substance 3D」にAdobe Fireflyを組み込むことを発表した。進化する主なポイントは2つある。1つはSubstance 3D Samplerに、テキストプロンプトからテクスチャ画像を生成する機能が加わる。クリエイターが制作した3Dオブジェクトの表面にさまざまな種類のテクスチャ画像をあてがい、すばやくプレビューを生成する。アドビは生成AIが提供するこの新機能により、従来は同じクリエイティブワークを行う際に必要とされた物理的なプロトタイプの作成、ストック画像の選定および写真撮影などのプロセスが大きく簡略化できると説明している。
もう1つはAdobe Substance 3D Stagerに加わる、クリエイターが制作した立体のオブジェクトとシーンの背景画像を、テキストプロンプトからすばやく自動生成する機能だ。オブジェクトに対する背景の遠近感、ライティングをリアルに再現したデータを画像にレンダリングして書き出せる。
Fireflyによる生成AI機能を組み込んだSubstance 3D Sampler 4.4とStager 3.0は、3月18日以降にベータ版として提供を開始した。